(公財)食の新潟国際賞財団が「第6回食の新潟国際賞」受賞者を発表
公益財団法人食の新潟国際賞財団(新潟市中央区)は31日、「第6回食の新潟国際賞」の授賞者発表式を同市市役所で行った。大賞は故中村哲氏と、ペシャワール会、PMS(平和医療団)となった。佐藤藤三郎特別賞は新潟薬科大学の大坪研一特任教授、21世紀希望賞は国立研究開発法人の矢野裕之ユニット長、今回より新設した地域未来賞は江川技術士事務所の江川和徳所長が受賞した。
同日は、同財団の池田弘理事長、同副理事長の中原八一新潟市長のほか、一部の受賞者らが出席した。大賞は2019年に武装勢力に銃撃されて死去した中村哲氏の名前を載せているが、原則として故人は選出しないという規則があるため、実質的には中村氏が会長や総院長を務めていたペシャワール会やPMSの受賞となった。同賞は、世界の優れた食と農業分野の問題解決と発展に貢献した人を隔年で顕彰するもので、食と農業分野では国内唯一の賞。今回は世界12か国から87名の推薦があった。
受賞理由については、大賞はアフガニスタンと大干ばつと内戦による難民の餓死を救うため、用水路を建設するなど、多くの功績を残し殉職した中村氏の活動をたたえてのもの。佐藤藤三郎郎特別賞はコメの品質や利用研究分野で食味評価などの加工利用分野におけるアジアの第1人者であることから。21世紀希望賞は米粉パンの製造技術を開発したことなどが理由。地域未来賞は新潟県の食品加工技術の向上と加工食品の開発・製品化の第1人者であることから。
中原市長は「世界の食などに貢献した人に贈られる賞。新潟市を世界とつながる拠点としたい」と話した。
同日、出席したペシャワール会の村上優会長は「2000年にアフガニスタンで大干ばつがあり、2003年に中村氏が用水路を作った。中村氏はもともとは医者だが、今では農業土木の賞ももらっている。中村氏は水があり、家族で食べることが平和につながるとよく言っていた」と話した。