東京商工リサーチ新潟支店が「7月度 新潟県企業倒産状況」を公表
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は4日、「7月度 新潟県企業倒産状況」(負債額1,000万円以上の企業倒産)を公表した。それによると、7月の県内の倒産件数は6件(前年同月は10件)、負債総額は12億500万円(前年同月は19億7,300万円)と、件数、負債総額とも前年同月と比べて減少した。
倒産件数は前年同月比で40.0%減(4件減)、前月比で20.0%増(1件増)だった。7月としては、1962年の集計開始以来59年間で50番目、1990年以降の31年間で28番目となった。
負債総額は、前年同月比で38.9%減(7億6,800万円減)、前月比で51.0%増(4億700万円増)だった。過去59年間で40番目、1990年以降の31年間で25番目となった。
産業別では、10産業のうち「製造業」、「サービス業他」が各2件、「建設業」、「情報通信業」が各1件だった。
原因別では、6件中4件が「「既往のシワ寄せ」で、「販売不振」が2件であった。
形態別では、「破産」、「特別清算」が各3件だった。
業歴別では、6件中3件が「20年以上30年未満」で、「10年以上20年未満」が2件、「30年以上」が1件だった。
地域別では、「新潟市」、「長岡市」、「柏崎市」、「新発田市」、「妙高市」、「上越市」が各1件だった。
主な倒産としては、株式会社アイエヌテックが6月23日、新潟地裁高田支部より破産手続開始決定を受けた。負債総額は7億8,000万円。
同社は1991年に有限会社新潟テクノの商号で設立され、自動車部品を主体とするプラスチック製品の形成および加工組立を事業として、本社に工場を設置し従業員約50人を要していた。1998年11月に株式会社アイエヌテックに商号変更、デジタルカメラ用部品の製造、自動車用オーディオ部品やカーエアコンなどの部品製造を行い、2006年4月期には約15億円の売り上げを計上していたが、リーマン・ショック以降はメーカー側の海外生産移管の影響や自動車のモデルチェンジによる継続受注が得られなくなるなどの構造的な変化も重なり、徐々に受注が減少して、以後売上は5億以下にまで減少していた。
リストラも実施しながら減産体制にも対応していたが、過去の投資負担も重く、赤字売上が続いて債務超過に陥り、厳しい経営が続いていた。こうした中、2019年3月には主力受注先1社による支援を得て、同社が設立した新会社に事業を移管、以降、アイエヌテックは清算を進め、2020年2月7日株主総会の決議で解散し、今回の措置となった。