県内の各港でクルーズ船の受入対応のための整備が進む

小木港では2万7000トンクラスの受け入れが可能に

新潟東港

新潟県内の港湾でクルーズ船寄港のための施設整備が進んでいる。新潟東港では昨年1月に、現在国内に寄港実績のあるクルーズ船として最大となるクァンタム・オブ・ザ・シーズ(約17万トン)に対応可能な施設整備を行った。具体的には、約3億円を投じて、水深10m、長さ370mの木材埠頭に、大型船に対応した防舷材(接舷時の衝撃をやわらげるための大型タイヤなど、36基)の取り替えなどを行った。来年にはダイアモンド・プリンセス(約11万トン)、クァンタム・オブ・ザ・シーズが初寄港する予定という。

佐渡でも今年度整備が進められている。両津港では昨年度、にっぽん丸(約2万2000トン)と、ぱしふぃっくびいなす(約2万7000トン)が寄港(沖泊)したが、その際、乗客は沖合でテンダーボート(クルーズ船に搭乗している小型の補助船=上写真を参照)に乗り換え、両津港にあるインフォメーションセンター「あいぽーと佐渡前」前の岸壁でテンダーボートを降りた。今年度、この岸壁の切り下げ工事を行い、高齢者でも上陸しやすいようにするという。

一方、昨年、鼓童ツアーであるカレドニアンスカイ(約4200トン)などクルーズ船が4回寄港した佐渡の小木港だが、これまで1万トン以上のクルーズ船寄港は難しかった。じっさい昨年、10700トンのロストラルが寄港した際、船長の判断で、安全面を考慮し沖泊にしたという。そこで今年度、岸壁の沖側(延長線上)に、小島のような形で係船柱を設置した(下写真を参照)。これにより、約2万7000トンのぱしふぃっくびいなすの着岸が可能となった。

整備の結果もあり、新潟の港(※)へのクルーズ船の寄港は、2015年(11回)、16年(15回)、17年(18回)、18年(22回=予定含む)と増加傾向にある。ただ、イタリアのコスタグループの寄港誘致の成功や、新幹線を降りてクルーズ船に乗れることを売りにした(首都圏での)誘客活動が奏功し、年40~60のクルーズ船が寄港する金沢港に遅れをとっており、さらなるPR活動が重要といえる。

(※)新潟東港、新潟西港、両津港、小木港、二見港、直江津港

小木港。海上に小島のような形で係船柱を設置することで2万7000トンクラスのクルーズ船の着眼が可能となった

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