新潟県で最も早い早生品種「五百川」の稲刈りが始まる

コシヒカリ系早生品種「五百川」は通常のコシヒカリよりも1ヶ月ほど早い収穫ができる

長い梅雨が明けて晴れ渡った6日、夏の盛りであるこの時期に、新潟市西蒲区にてコシヒカリ系早生品種「五百川」の稲刈りが開始された。現在新潟県内では最も早い稲刈りとなり、早ければ15日前後に県内スーパーやホームセンター、ドラッグストアなどの店頭へ並ぶという。

「五百川」は平成15年7月に福島県のコシヒカリ栽培地で発見された変異種であり、8年の歳月をかけ安定化され、平成22年9月に農林大臣より品種登録がなされた。新潟県でも有限会社星山米店の申請により平成31年3月に新潟県の銘柄米として登録されている。

本来、夏の時期は米の収穫時期の直前であり、収穫されて1年近く経過した米は味や粘りが新米に比べて低下している。また、夏に食べることができる新米としては宮崎県などの九州産米が一般的である。一方で「五百川」は変異元のコシヒカリと遜色ない味と粘りを持ちながらも新潟で従来のコシヒカリより約1ヶ月早く収穫が可能なことから、九州産米に押されている現状を打開することが期待されている。

また、「五百川」は米の品質の低下や稲の枯死を招く可能性のある稲熱病の感染が拡大する前に収穫となることもメリットである一方で、成長が早いことと同様に収穫適期も短いことから、米内部に亀裂が生まれる「胴割れ」が発生する危険性が高い。そのため、収穫適期を正確に掴むことや、適期よりも早く収穫することなどが求められるという。

「五百川」は現在県内では、西蒲区、東区大形、柏崎市、新発田市の4箇所、計31ヘクタールで栽培されている。昨年は主に大阪などの大都市で販売されていたが、今年は県内スーパーなどからの注文依頼が急増し、栽培面積は去年の3倍になったという。今年の田植えは4月末に行われ、稲刈りは今月4日からを予定していたが、遅い梅雨明けによる日照不足でやや遅れることとなった。現在、星山商店の星山恒広代表取締役は15日前後の販売を目指しており、「お盆時期に家庭やお土産としてぜひ味わってもらいたい」と話した。「五百川」の価格は、5キログラムで2000円前後になる予定である。

株式会社自然の里・かくだ山の渡辺忍代表取締役

実際に「五百川」を育て今回収穫を行った株式会社自然の里・かくだ山の渡辺忍代表取締役は、「人と違うことをチャレンジしなくてはいけないと考えていた。それが、変わっていると言われるか、先見の明があると言われるかはわからないが、こうして取り上げてもらえるのであれば成功じゃないかと思う。新潟の農家を元気付けるためにもこのお米を食べてもらいたい」と語った。

【関連リンク】

米の集荷、精米、販売を手がけている星山米店 公式サイト

 

 

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