新潟県長岡市山古志地区の山古志闘牛場で、「牛の角突き」初場所が開催
新潟県長岡市山古志地区の山古志闘牛場で4日、伝統行事「牛の角突き」(闘牛)の初場所が開催された。
山古志の「牛の角突き」は、山古志闘牛会の主催で、新潟県観光協会のホームページによると、約1,000年前にスタートしたとも言われている歴史ある伝統行事。国の重要無形民俗文化財にも指定されている。足腰が強く、寒さや粗食に耐える牛は、昔から運搬や農耕に欠かせない働き手で、飼い主との密接な関係の中で「牛の角突き」は山古志の人々の娯楽として根づいていったと言われている。
また、国内では現在、新潟県を含む全6地域で闘牛が開催されており、中でも、新潟県の闘牛は古い歴史を持ち、この歴史を証明する資料も残っている。
この日は天候にも恵まれ、闘牛場には約1100人の観客が詰めかけた。山古志闘牛会によると、一昨年は約400人、昨年は約300人で、今年の観客数は新型コロナウイルス前の水準に戻ったという。
1トンを超える巨体の闘牛がぶつかり合う姿に、観客は歓声や拍手を送っていた。また、勢子(せこ)と呼ばれる男たちが、角を突き合わせて激しくぶつかり合う牛の間に入り、牛を取り押さえる姿は、「見応え抜群だった」とある観客は語っていた。
なお、この闘牛の最大の特徴は、「引き分け」を原則とする点。これは、家族の一員として大切に飼育している牛を勝敗が決するまで戦わせず、大きな肉体的・精神的ダメージを負うことを極力避けるための措置だ。
山古志の「牛の角突き」は、11月まで計10場所開催される。