全国戦没者追悼式が東京で開催
75回目の終戦記念日となる15日、約310万人の戦没者を慰霊する全国戦没者追悼式が東京の日本武道館で行われた。今年は、新型コロナウイルスの感染防止のため、参列者数は約500人と昨年の1割程度となった。このため、式典の様子を厚生労働省動画チャンネル(YouTube)でライブ配信した。
式典では、天皇皇后両陛下ご臨席の後、国歌演奏。今年は新型コロナ感染防止の観点から国歌斉唱は行わなかった。
国歌演奏の後、安倍晋三内閣総理大臣が、「戦争の惨禍を、2度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫いてまいります」などと式辞を述べた。その後正午と同時に参列者全員で、軍人、軍属、空襲などで亡くなった戦没者約310万人に1分間の黙とうを捧げた。
続いて天皇陛下が、「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いをいたしつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、全国民とともに、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」とおことばを述べられた。また新型コロナウイルスの感染拡大について、「新たな苦難に直面しています。私たち皆が手をともに携えてこの困難な状況を乗り越え、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と述べられた。
このあと遺族を代表して昭和20年6月10日にフィリピン・ルソン島で父親(陸軍伍長)を亡くした静岡市の杉山英夫さん(82)が追悼の辞を述べた。