新潟県妙高市の次井旅館の破産手続き開始が決定
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、有限会社次井旅館(新潟県妙高市、資本金500万円、次井雪雄社長、従業員3名)は8月6日に新潟地裁高田支部より破産手続開始決定を受けた。破産管財人には原野聖子弁護士(弁護士法人つばき上越つばき法律事務所、上越市本)が選任された。負債総額は推定3億5,000万円。
次井旅館は1937年創業、1954年5月に法人化され、妙高高原赤倉温泉において老舗旅館「次井旅館」を経営。赤倉スキー場のスキー客を主体として、1980年代後半のスキーブームの際には、1億円台後半の年商を計上していた。
代表の次井氏は、親子二代にわたり旅館経営をしていたほか、地元でのスキー振興にも長年従事し、公益財団法人新潟県スキー連盟の会長職にも就いていた。
1991年には現本社地に新館を建設、「リゾートホテルアルプ」として、以後は同施設のみの経営となっていた。しかし、その後のスキーブームの終焉、年々続く少雪によるスキー客の減少といった影響から、業績は悪化を辿るようになり、既往の投資資金の負債を抱えながら資金的にも厳しい状態に陥っていた。こういったなかで資金繰りも限界に達し、施設不動産が差押え処分されるほか、2020年2月には他社が不動産を取得するのと同時に同社の事業も移管して事業を停止し、清算処理を進めていた。
なお、「リゾートホテルアルプ」は他社経営にて営業が続けられている。