佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)の上場廃止後株主は本当に5社になるのか、佐渡汽船の株主の行方を占う
佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)は東京証券取引所への上場が5月6日付で廃止となり、最終売買日となった2日の終値は、前日より6円安い44円だった。
佐渡汽船株式の66.7%を保有する筆頭株主の、みちのりホールディングスでは今後、新潟県、新潟県佐渡市、第四北越銀行、佐渡農業協同組合以外の株主から1株30円で買い取りを進めてく方針だ。
一方、佐渡汽船は、先月26日開催の取締役会において株主優待制度の改定を決めた。変更前は、保有株式1,000株につき、株主優待乗船券引換点数券(無記名式)2点券を1枚の割合で発行していたが、変更後は保有株式5,000株につき、株主優待乗船券引換点数券(無記名式)2点券を1枚の割合で発行する。
対象となる株主は、変更前も変更後も毎年12月31日現在の株主名簿に記載または記録された株主となり、改定の適用は今年12月31日時点の株主からとなる。
2点券の利用例を見ると、新潟—両津航路のカーフェリー車両航送では、点数のみで乗車する場合は14点あれば現金は不要。点数と現金を併用する場合は「2点+1万4,000円」、「4点+1万2,000円」 、「6点+1万円」などとなり、2点は2,000円相当の価値がある。
株主優待は改定された(減った)とはいえ、5,000株(1株44円換算でみると22万円)を保有していると、2,000円相当の還元があることになる。これは、佐渡航路を利用する人であれば、年約0.9%の配当があるのと同じで、低金利のこのご時世ではそれなりの配当だ。
佐渡汽船によると、13日までには9日時点での株主名簿が出来上がるというが、44円の終値でも売却しなかった人は株主優待目当てにある一定数いるものと思われる。そんな中、今後1株30円での売却がスムーズに進むのか。この点を佐渡汽船に聞いてみると、「1株30円での買い取りは株主総会で決定したことなので、粛々と手続きを進めていくだけだ」との回答が返ってきた。
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