亀田製菓株式会社(新潟市江南区)が2022年3月期決算(連結)を発表、原材料価格の高騰などにより減益に
亀田製菓株式会社(新潟市江南区)は9日、2022年3月期決算(連結)を発表した。
売上高851億6,300万円(前年同期は1,033億500万円)、営業利益48億6,300万円(前年同期比△13.5%)、経常利益60億9,900万円(前年同期比△11.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益44億2,800万円(前年同期比△6.9%)だった。原材料価格の高騰やエネルギー価格の上昇により、減益を余儀なくされた。
なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」などを適用しているため、売上高の対前期増減率は記載していない。
売上高
亀田製菓グループは2021年度を次の成長に向けた基盤固めの1年と位置づけ、構造改革を中心に各種施策を実行してきた。国内米菓事業については、顧客の環境意識の高まりを背景に、環境配慮型商品の拡充に取り組むとともに、販売面では成長チャネルへ経営資源を集中し、営業活動のデジタル化を通じて販売生産性の向上を推進した。
加えて、第4四半期に発生した三幸製菓株式会社(新潟市北区)の工場火災に伴う操業停止の影響により、国内米菓市場の様相は一変し、亀田製菓を含む米菓企業に対する代替需要が急速に高まった。
亀田製菓グループは、米菓業界のリーディングカンパニーとして、製品の供給力不足が短期および中期的に顧客の米菓離れを招き市場が縮小するリスクを抑制するために、生産人員を増強して増産に取り組むとともに、外部生産委託の拡充などにより供給優先の体制に舵を切りっている。
これらの取り組みの結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた主力ブランドの売上高は「ハッピーターン」「つまみ種」「うす焼」「技のこだ割り」「ぽたぽた焼」「ハイハイン」が前年同期を上回った一方で、「亀田の柿の種」「亀田のまがりせんべい」「ソフトサラダ」「手塩屋」「揚一番」「堅ぶつ」は前年同期を下回った。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.が前年の新型コロナウイルス感染拡大による特需の反動を受けた一方で、前年の期中より連結子会社化したSingha kameda (Thailand) Co., Ltd.の売上高が通年で寄与した。
また、ベトナム国内の販路拡大、THIEN HA KAMEDA, JSC.を第3四半期から連結損益に取り込んだ結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回った。
食品事業については、防災意識の高まりを背景とした長期保存食の安定的な需要に加え、2022年3月に発生した福島県沖地震の影響により、年度末にかけて一段と需要が高まった。
加えて、連結子会社化した株式会社タイナイのアレルゲン28品目不使用の米粉パンへの引き合いは急速に高まっており、その需要に応えるべく、生産機能の移転集約など生産能力の増強にも取り組んでいる。その結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回った。
営業利益
一方、営業利益は、単体米菓事業においては、原材料価格の高騰やエネルギー価格の上昇により、国内米菓事業は減益となった。
海外事業については、タイ子会社の再編完了によるダブルオペレーションの解消やSingha kameda (Thailand) Co., Ltd.の安定した事業運営、さらに高い収益性を有するTHIEN HA KAMEDA, JSC.の連結子会社化により営業利益の赤字幅は抑制された。
食品事業については、長期保存食の需要拡大や植物性乳酸菌の販路拡大などに取り組んだものの、今後の事業成長に向けた各種シーズの獲得および研究開発機能の強化により減益となった。