(株)スノーピークが2020年12月期第2四半期決算の詳細発表、ウィズコロナでキャンプ需要拡大か
株式会社スノーピーク(新潟県三条市)は18日、12日に発表した2020年12月期第2四半期決算(連結)についての詳細な情報を公開した。新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言による店舗やキャンプ場の休業が売上減少に大きく影響している一方で、休業緩和後の6月以降の販売やオンラインストアでの売上などでは前年同期を上回るものもあった。
休業要請により店舗での売上高は減少
スノーピークが12日に発表した2020年12月期第2四半期決算(連結)によると、売上高65億7,400万円(対前期同期比△4.2%)、営業利益2億6,200万円(同△44.2%)、経常利益2億4,700万円(同△48.8%)、親会社株主に帰属する純利益2億500万円(同△39.4%)と減収減益になった。
国内では4月から5月の間、最大約8割の直営店が休業を行い、直営店での売上高は10億6,000万円と、前年の13億1,000万円から減収になった。単月で見ると、4月と5月がそれぞれ前年同期比で△85.0%と△63.7%の売上減。しかし6月には休業が緩和され、売上高は前年同期比で△5.5%とほぼ回復した。インストアやディーラー卸での売上も同様に低下し、国内累計売上高は51億7,000万円(前年同期は57億9,000万円)。事業別に見た場合には、主力であるアウトドア事業の売上高が53億2,000万円(同54億8,000万円)となるなど、Snow peak EAT事業とビジネスソリューションズ事業以外の事業が前年同期と比べて減収となった。
ウィズコロナ時代にキャンプ需要とオンラインショップ拡大の兆し
一方、スノーピークではデジタルでの顧客接点の増加に注力し、その結果、自社EC売上高は4億8,000万円と、前年度同期の2億円の売上高から2倍以上数字となった。なおデジタルでの顧客接点の増加では、「Snow Peak Way」や「雪峰祭」といった既存イベントのオンライン配信やネット会場の設置、さらにSNSを通じた情報発信やテレビ電話などを利用したオンラインストアでの一対一の接客などで顧客との関係強化を行った。
また新規のユーザーに関しては、新規会員の登録者数が4月、5月には前年同期を下回ったものの、6月単月で見た場合には前年同月比で71.7%の増加と、過去最大の新規会員の獲得となった。エントリー品目に関しても幕体系の商品を中心に6月は売上が増加しており、「密」を避けて郊外で楽しむことのできるキャンプなどのレジャーの人気が高まってきているようだ。
海外では、台湾や韓国といった新型コロナウイルスの拡大が早期に歯止めがかかった地域では休業を行わなかったことに加え、国内と同様にウィズコロナのレジャーとしてキャンプの人気が高まっていることなどから、台湾では2億6,000万円の売上高(前年同期は2億1,000万円)、韓国では5億7,000万円(同4億3,000万円)の売上高となった。同様に、アメリカとイギリスでもキャンプ需要の高まりで売上が伸びている。各国ともに、オンラインイベントやSNSを利用したマーケティングも行っていたことも増収に影響しているようだ。
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