新潟県村上市が産婦人科・小児科の「オンライン相談サービス」実証実験の結果を報告、高い満足度を得て本格導入

新潟県と村上市は10日、県が取り組んでいる「ヘルスケアICT立県実現プロジェクト」の一環として村上市産婦人科・小児科を対象に実施した「オンライン相談サービス」の実証実験結果を報告しました。利用者から高い満足度を得られたことなどから、村上市は4月から本格導入を開始した。

実証実験は、昨年5月から今年3月まで、村上市の妊産婦、子育て世代の人・児童生徒を対象に、産婦人科医や小児科医、助産師が対応する「オンライン相談サービス」を実施し、延べ621件の利用があった。利用後のアンケートでは「今後も利用したい」と回答した人が100%、「医師の説明を理解できた」と回答した人が99%と、高い満足度を示す結果となった。

「オンライン相談サービス」は、株式会社Kids Public(東京都)が提供するサービスで、スマートフォンから質問を送ると24時間以内に回答が送付される「いつでも相談」と、夕方から夜間にチャットやビデオ通話による相談ができる「夜間相談」の2つある。無料通話アプリLINEのメッセージ機能や音声・ビデオ通話などを使用し、登録する専門医や助産師に相談することができる。

村上市は南北約50キロメートルの広大な面積を有しており、医療へのアクセス面で物理的な課題があるといいます。村上市における産婦人科は1施設、小児科は3施設と、人口あたりの産婦人科・小児科の施設数は全国平均を下回っていることもあり、24時間いつでも相談が行える「オンライン相談サービス」は有効と判断し、4月から本格導入した。

村上市の高橋邦芳市長は「100%の人が『良かった』『今後も使っていきたい』と答えたということは驚くべきこと。自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていく中で、これはまさにメディカルDXで、これからの時代のベースになっていくもの。市民へのサービスの周知を進めていき、相談しやすい環境づくりをやっていきたい」と話していた。

Kids Publicが提供する「オンライン診断サービス」は4月時点で全国31の自治体が採用し運用している。現役の小児科医・産婦人科医・助産師が177名が相談窓口として登録し、サービス利用者からの相談に応対している。なお村上市の実証実験では、全国で初めて小学4年生から中学生までの子供自身からの相談にも対応した。相談内容は、友達や家族と関係についてや、性についての悩みも寄せられたという。

株式会社Kids Publicの橋本直也CEOは、「今10代のメンタルヘルスは非常に問題になっている。子供たちは、ぱっと見は元気そうでも心の元気はないということがある。村上市での実証の特徴としては、10歳以上の子供たちからの相談が約10%あったこと。小中学校でしっかり告知をいただいて相談を引き出すことができた」と話した。

新潟県は今後、他地域への導入の検討も含め、「ヘルスケアICT立県実現プロジェクト」を推進していくという。

新潟県福祉保健部の松本晴樹部長(左)、村上市の高橋邦芳市長(中央)、株式会社Kids Publicの橋本直也CEO(右)

村上市の高橋邦芳市長

株式会社Kids Publicの橋本直也CEO

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓