株式会社コロナ(新潟県三条市)の2022年3月期決算(連結)と中期経営戦略などを発表

株式会社コロナ(新潟県三条市)の大桃満代表取締役社長

株式会社コロナ(新潟県三条市)は10日、2022年3月期の連結決算を公表した。売上高786億4800万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は8億5,000万円(同10.8%減)、経常利益は11億9,500万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億3,900万円(同50.1%増)と、減収減益の決算となった。期末配当は28円だった。

コロナでは、住宅関連機器業界においては、住宅市場の一部回復が見受けられたが、原材料価格の高騰や世界的な電子部品類等の不足による影響が発生するなど、先行きは不透明感が増している。

2022年3月期の経営成績の概況について、当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数が増加する中、まん延防止等重点措置の発令やワクチン接種の促進など感染防止対策がなされたものの、国内における経済社会活動が制限を受けるなど、依然として厳しい状況が続いた。

このような状況の中、コロナグループは第8次中期経営計画の最終年度を迎え、「コロナブランドの拡大と進化」 を推進キーワードに、基本戦略「既存販売チャネルでの事業領域拡大」「空調メーカーとしてのポジション構築」 「持続的成長のための機能・基盤強化」に基づいた事業戦略・機能戦略の取り組みを進めた。

事業戦略では、既存の販売チャネルを最大限に活用するための商品カテゴリー拡大やラインアップ拡充、提供価値拡大に向けた商品開発や協業など、ビジネスチャンスの拡大に取り組んだ。

また、ルームエアコンでは、エアコンブランド「ReLaLa(リララ)」のもと、IoT技術の活用や清潔性を追求した商品を投入するなど、ブランド力の強化や商品機能・性能向上の取り組みを進めた。

機能戦略では、商品やものづくりに対する想いや姿勢を発信する場として、特設サイト「CORONA快適LABO(ラボ)」を開設するなど、ブランディング強化の取り組みを進めた。また、顧客接点の強化や管理間接業務の生産性向上、物流配送機能の最適化を進めるとともに、それらの活動を支える組織や人財育成の取り組みを進めた。

 

暖房機器

暖房機器の売上高は、251億1,000万円(前期比4.5%減)となった。 世界的な電子部品類等の不足に伴う調達難により、遠赤外線電気暖房機、寒冷地向け石油暖房機、石油ファンヒーター等の生産・販売活動に影響が生じたことに加え、12月後半まで気温が高めに推移したことや灯油価格の高騰などもあり、暖房機器全体は前期を下回った。

 

空調・家電機器

空調・家電機器の売上高は、154億9,400万円(前期比17.5%減)となった。 ルームエアコンは、熱交換器洗浄機能や「コロナ快適ホームアプリ」による遠隔操作を可能としたセパレートタイプやウインドタイプなどの提案活動に注力した。しかしながら、販売においては、メーカー間の販売競争の激化や昨年支給された特別定額給付金による特需の反動などが影響し、ルームエアコン全体は前期を下回った。また、除湿機は部屋干し需要の増加などもあり、前期を上回ったが、空調・家電機器全体は前期を下回った。

 

住宅設備機器

住宅設備機器の売上高は、315億5,300万円(前期比1.6%増)となった。世界的な電子部品類等の不足に伴う調達難により、エコキュートや石油給湯機の生産・販売活動に影響が生じたものの、住宅市場の一部回復やエコキュートの買い替え需要の拡大もあり、住宅設備機器全体は前期を上回った。

 

今後の見通し

今後の日本は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことから、経済社会活動への影響が続くことが考えられる。また、電子部品類等における調達面での安定性に懸念が残るほか、原材料・資源価格や物価の上昇などにより、経済活動や国民生活への影響が生じることが予想される。住宅関連機器業界においては、中長期的には世帯数の減少や住宅の長寿命化による新設住宅着工戸数の減少が予想される。

また、脱炭素社会の実現に向け、住宅や住宅関連機器は省エネ性向上など環境に対する配慮が一層求められることが見込まれる。 このような状況のもと、コロナグループは持続可能な社会の実現に向けて、2027年に控える創業90周年を見据えた 「2026ビジョン」を策定し、その実現を目指して、利益ある成長経営と新規領域への挑戦に取り組むための新たな中期経営計画を2022年度から推進している。調達面においては、調達先の拡大などのリスク分散をはかり、安定的な生産・供給活動を推進できるよう努めている。

 

コロナグループ中期経営戦略(2022年から2026年度)の策定

コロナグループの事業領域における競争環境の変化、社会や生活者の変化等を踏まえたうえで、2027年に控える創業90周年を見据えたコロナグループ中期経営戦略を策定した。ブランドスローガン「つぎの快適をつくろう。CORONA」をより一層前に進める。

コロナが描くこれからの快適を実現するために、これまでの領域を超え、壁を取り払い、持続可能な社会の実現に向けた2026ビジョンを策定した。「CORONA」と「Action」を掛け合わせた「CORONAction.(コロナクション)」を旗印に、つぎの快適をつくるアクションを起こしていく。2026年ビジョンは、脱炭素社会への貢献レジリエンスな社会、快適の進化暮らしの質向上、利益体質への転換の3つを設定した。

 

第9次中期経営計画の公表

中期経営戦略と併せ、2022年度から2024年度までの3ヵ年計画である第9次中期経営計画を策定し公表した。「変わる、そして挑む」をスローガンに掲げ、利益ある成長経営と新規領域への挑戦に取り組んでいく。

第9次中期経営計画期間においては、2026ビジョンと紐づく3つの「基本戦略」と、それを実現するための8つの「事業戦略」「機能戦略」を設定し実行していく。基本戦略については、ヒートポンプ・電化事業の拡大、「楽」から「楽しい」への事業領域拡大、業務合理化による高コスト体質からの脱却の3つを設定した。

経営目標は2025年3月期計画で、連結売上高887億円(2022年3月期実績より12.7%増)、連結経常利益20億円(2022年3月期実績より67.4%増)と発表した。

第9次中期経営計画の骨子(資料より)

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