北越メタル株式会社(新潟県長岡市)が2022年3月期連結業績を発表、製造コスト上昇を受け最終赤字に

北越メタル株式会社(新潟県長岡市)は11日、2022年3月期連結業績を発表した。

売上高273億5,600万円、営業利益△7億6,200万円(前年同期は5億4,900万の利益)、経常利益△6億9,700万円(前年同期は5億9,900万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益△9億6,700万円(前年同期は7億2,900万円の利益)となった。

北越メタルグループの関連業界においては、国内建設需要が低調に推移するなか、主原料である鉄スクラップ価格が高騰し続けたことに加え、合金鉄等の副資材やエネルギー価格が大幅に上昇するなど採算性は悪化し、厳しい経営環境で推移した。

このような急変する不連続・不透明な未来に向けて、持続的な成長を図るため、長期ビジョン「 Metal Vision 2030<絆> 」および中期経営計画「絆2024」(2020年度から2024年度までの5か年)に基づき、災害に強い国土強靭化、労働人口減少による供給制約に対するソリューション提供による社会貢献を実現すべく、事業構造改革を鋭意進めている。

2020年に実施した、株式会社コーテックスの完全子会社化に加え、2021年7月には共和コンクリート工業株式会社との業務提携および合弁会社である株式会社イノヴァスを設立するなど、さらなる加工品事業の強化を図った。

販売面では、再生産可能な適正マージンを確保するため、製品販売価格の引き上げに注力するとともに、主力製品である異形棒鋼は、建設需要の低迷により国内向け販売数量が減少するなか、海外向け輸出により販売数量の確保に努めた。土木・加工製品については、既存製品の拡販、新規顧客の開拓に加え、株式会社イノヴァスでの新たな展開に取り組んできた。

コスト面では、各種コストが大幅に上昇するなか、各種原単位の改善や廉価な諸資材の活用などによりコストの低減を図ったほか、改善活動「TCC2021」により継続的な原価低減に取り組んできた。しかし、急激な製造コスト上昇に販売価格の引き上げが追い付かず、連結グループにおいて減益となった。

今後の見通しについては、新型コロナワクチン接種のさらなる進展や政府の経済支援策などにより、景気は緩やかな回復基調に向かうことが期待されるものの、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に端を発する海外経済の不確実性が懸念され、先行き不透明な状況が続くと予想される。

グループの関連業界においても、このような経済環境の影響を受け、鋼材需要の増加に期待するものの、鉄スクラップに加え、合金鉄、耐火物などの諸資材やエネルギー価格の上昇が懸念される。

5ヵ年計画である中期経営計画「絆2024」の3年目を迎えるにあたり、重点課題を確実に実行し、収益体質の改善を図っていくという。

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