新潟県がにいがた和牛や県産水産物を学校給食へ提供

 

発表する県農林水産部の担当者

新潟県は25日、新型コロナウイルスの感染拡大により、需要減少や価格低下などの影響を受けている、にいがた和牛や県産水産物の学校給食への提供事業について実施すると発表した。

学校給食に提供することで、その美味しさや魅力を実感してもらうとともに、畜・水産業や生産者への理解を深め、食育を推進し、家庭での需要喚起につなげるのが狙い。にいがた和牛や県産水産物を使った給食は、9月から順次、県内の小中学校などで実施される。

令和2年度の国の補正予算「国産農林水産物等販売促進緊急対策事業」のうち、和牛肉等販売促進緊急対策事業と、水産物販売促進緊急対策事業を活用し、県が事業主体となり実施する。事業費はにいがた和牛が5億7,350万円、県産水産物が1,190万円となる。市町村へ実施希望調査を行い、希望のあった市町村の小中学校、特別支援学校の児童、生徒および教職員に、にいがた和牛、県産水産物を給食の食材として提供する。

にいがた和牛は、新潟県内で育てられた黒毛和種で、品質規格等級が3等級以上のものを呼んでいる。なお、新潟県北部の村上市、岩船郡、胎内市で肥育・出荷され、品質格付等級が4等級以上のものを「にいがた和牛村上牛」としている。

22市町村、366校(約8万6,000人)を対象に、にいがた和牛8トン(約25頭分)を今年9月から令和3年3月まで(各学校1から3回)提供する。

9月4日から新潟市の木戸小、長岡市の寺泊小、小千谷市の東山小、糸魚川市の能生小などで提供される。メニューは、すき焼き、ステーキ、ビビンバ、ビーフカレー、牛丼、チンジャオロースなど。その他、食育教材の配布などを行うほか、和牛生産に関して優れた技術を持つ業界団体により選ばれた「にいがた和牛飼育名人」が地元の小中学校を訪問し、直接子供たちに伝えることで畜産の理解促進へとつなげたいとしている。

11人のにいがた和牛飼育名人

一方、県産水産物はマダイ、ブリを対象とする。特にマダイは高級食材とされ、飲食店での刺身などの需要が多く、新型コロナウイルスの影響で外食業者の需要が落ち込んでいる。

対象は19市町村、291校(約6万7,000人)で、提供数量は県産マダイ約1トン、県産ブリ約2.2トンを9月から令和3年2月まで(各学校1回)提供する。県の農林水産部水産課の担当者は「これだけの量が給食で使われたことは今までにない」と話した。

メニューは照り焼き、塩焼き、竜田揚げ、鯛飯、鯛茶漬け、ブリカツなどで、9月2日から、阿賀野市の分田小で提供が開始される。食材教材の配布のほか、新潟おさかな大使「さかなクン」が出演する映像をYouTubeで配信。さかなクンは動画の中で、漁師の生計の面や配送コストの削減などから、子供たちに魚の地産地消の重要性を訴えていた。また、希望する学校には食育教室も開催する予定。

子供向けのパンフレット。さかなクンも登場している

 

 

 

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