庁舎建設の白紙撤回求め陳情【(株)佐渡テレビジョン】
合併特例債を活用し、防災拠点となる庁舎を建設する方向性を示した佐渡市に対し、市民グループが白紙撤回を求め、31日市役所本庁を訪れました。
本庁を訪れたのは新庁舎建設問題を考える市民の会の一行で、公務の渡辺竜五市長に代わり伊貝秀一副市長が対応しました。
はじめに市民の会代表の齊藤孝夫さんが「防災拠点庁舎整備」構想を白紙に戻し合特債の活用事業について市民の合意を求める陳情書を伊貝副市長に手渡しました。
齊藤さんはコロナ禍や人口減少など課題が山積する中で出てきたいきなりの新庁舎建設案では市民の理解は進まないとし、今はそれどころではないと早急な市の方針を非難しました。
そして、新庁舎建設ありきの発想を変え市民の声を広く聞いて結論を出してほしいと要望しました。
それに対し伊貝副市長は、新庁舎建設については市民の理解を得ながら進めるように議会からも釘を刺されている。9月10日までに広く市民の声を聞いたうえでホームページなどで公開し、議会と協議していきたいと答えました。
市民の会では新庁舎建設の是非を判断できる全体像計画が示されていないとし、この構想の白紙撤回を強く求めています。
また、平成21年度に佐和田地区に整備した新消防本部・防災拠点庁舎整備に合特債を活用していて、今回の防災拠点となる新庁舎建設は二重の投資になるとその無駄遣いを批判しています。
佐渡市は今月19日から島内10か所で防災拠点庁舎整備についての市民説明会を開催し、財源として有利な起債となる合併特例債を活用することや、庁舎は最低限必要な機能として1階に市民生活課などの窓口、2階に災害対策本部、3階に議会を移設するなど基本方針を説明していました。
佐渡市では説明会で寄せられた市民の声に加え、9月10日までに募った市民の意見や要望をまとめたうえで今後の方向性を決めるとしています。
合併特例債を活用することを念頭にすると来月4日から始まる9月議会中に一定の方針が示される可能性が高く、佐渡市合併以来の懸念である新庁舎建設の行方が注目されます。