(株)雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)が南魚沼市などと連携して「雪国まいたけの森づくり」
株式会社雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)は、南魚沼市が所有する大原運動公園周辺の森林(6.3ha)を無償で提供してもらうとともに、森づくりのための徐伐や広葉樹の植林など行って森林公園として整備する「雪国まいたけの森づくり」を行う。
2日、南魚沼市役所で「森づくり活動に関する協定書」締結式が行われ、南魚沼市の林茂男市長、雪国まいたけの足利厳代表取締役社長、南魚沼森林組合の関正太郎代表理事組合長、「企業の森づくり」アシスト事業を行う新潟県の松田隆志南魚沼地域振興局長が協定書に調印した。協定期間は9月2日から2025年9月1日までの5年間。雪国まいたけでは、新潟県の「企業の森づくり」アシスト事業のサポートを受け、荒廃した森林を間伐し木々が育ちやすい環境をつくるほか、伐採期を迎える杉を伐採して景観の良い混交林をつくり、人が訪れる空間にしていく。
雪国まいたけの足利社長は、協定書締結式の挨拶のなかで、「(雪国まいたけは)まいたけでは全国トップのシェアを有しているが、そのすべてを新潟県内で生産している。まいたけ以外のきのこの生産をしていて、新潟から全国に出荷している。昨今の健康志向の高まりもあり、きのこ類は需要が高まりつつある。とりわけ、まいたけについては様々な健康機能が知られてることから大変需要が高まっている。当社としては供給体制をしっかり整えようということで既存工場の増改築を進めている。きのこ作りに欠かせないのが、主原料が(培地に使う)おがこ。雪国まいたけでは100%国内産の広葉樹が原料で、その多くは樹齢の高い木や間伐した木など持続可能な森林づくりの過程で得られたもの」と同社を取り巻く状況を説明。
続けて「7割が森林である日本の課題としては戦後植林された人工林の活用不足や手入れが行き届かない荒れた森林による事前災害の発生などがある。私どもはこれまでも間接的ながら健康な森づくりなど持続可能な森林資源の循環に貢献してきたが、これから一層社会的責任を果たさなければならないという認識に立ち、今回、当社のCSR活動と位置付け、この度の森づくりを行うこととした」と話していた。
一方、林市長は、「自治体の長として、災害のことが頭から離れることはない。これまでは河口や河川改修などを目標にしていて、それも大事だが、今は源をなおさなければ災害は防げないという認識になった。水の災害は、山の荒廃が一番(の原因)。山の荒廃は森林の荒廃。我々も他力本願だけでなく、来年度予算も使いながら一緒にやっていくことを目指したい」などと話していた。