新潟のクラウドファンディング事情
インターネットを介し、小口投資家と事業家をマッチングし、少額の資金を募る「クラウドファンディング」――。そのクラウドファンディングを手がけるミュージックセキュリティーズ(東京)の担当者の講演が20日、長岡市内で開催された。
■これまでに集まったのは61億円
同社のクラウドファンディングは、「ふるさと投資サービス セキュリテ」。全国に約7万人いる会員(投資家)は、同社の運営するサイトにログインし、そこに掲載されている投資案件(地方創生に資する商品や食品が多い)から、好きなものを選んで、1口数万円の少額から出資できるのがウリだ。
また、投資家は、その商品や食品を出資特典で、もらえることが多いのも魅力だ。
2000年のサービス開始以来、520本の投資案件がお目見えし、計61億円が集まっている。
ちなみに、筆者もそのサイトを観てみた。全国各地の魅力的な商品がずらりと並んでいる。お金があれば投資したいものだと感じた。
■県内の事情
なお県内の第一弾の案件は、佐渡・逸見酒造の清酒だった。1口5万2850円(取扱手数料2850円を含む)で出資を募り、650万円が集まったという。
(ちなみに出資特典は、日本酒4号瓶2本だった)
一方、ミュージックセキュリティーズでは県内自治体とも関係強化を図っている。県内では昨年、阿賀野市、第四銀行とともに、阿賀野市内の企業が手掛ける投資案件を対象にしたクラウドファンディング事業を立ち上げた。
阿賀野市がファンドの作成などにかかる初期費用を補助。そしてミュージックセキュリティーズが運営を担い、第四はコンサルティングなどで側面支援するというものだ。
第1弾として、環翠楼の「阿賀野の温泉旅館 環翠楼ファンド」の募集が行われ、以降、同ファンドを含め、阿賀野市内の事業向けに7本のファンドを作ったという。
なお阿賀野市は7ファンドへの補助金を1000万円を計上したのに対し、7ファンドの合計で2000万円を調達した。
また、出資者は7ファンドの合計で574人。関東が51・9%と最も多く、次いで、新潟を含む中部(22・2%)、関西(16・5%)だった。(ちなみに環翠楼の出資先は、出資特典の1万円の宿泊割引券を目当てにした県内投資家が多かったこともあり、中部が57・1%と最も多かった)
資金を調達できたばかりでなく、全国の人から市を知ってもらうキッカケにもなり、市のPRにもつながったそうだ。
また、先日の新聞報道によると、長岡市も同社と組んで、阿賀野市と同様の形で、6月にもクラウドファンディング事業を立ち上げるという。
(参考1)ミュージックセキュリティーズの他の主な県内案件
越後ファームのファンド=受付中
行列のできるプレミアムジェラートファンド
佐渡産コシヒカリ仕込み どぶろくファンド
(参考2) 全国の地方自治体における地域おこし協力隊の取組やプロジェクトを支援する「地域おこし協力隊 クラウドファンディング
地域おこし協力隊 クラウドファンディング
(参考3)ほかのクラウドファンディング
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