カーボン・オフセットの先進県「新潟県」
企業も安価でカーボン・オフセット制度に参加可能
カーボン・オフセット――。経済活動などにおいて排出される二酸化炭素をどうしても削減できずに排出してしまう場合、「森林整備活動」や「二酸化炭素削減活動」などのプロジェクトが生み出した二酸化炭素の削減量の枠(クレジット)を購入することにより、削減したとみなす制度のことだ。国に「J-VER」というオフセット・クレジット制度があるが、新潟県でも県独自のオフセット・クレジット「新潟県J-VER」を平成21年5月から他の都道府県に先駆けて運用している。
現在、この新潟県J-VERには、「トキの森整備事業」「阿賀悠久の森間伐プロジェクト」「苗場山麓竜神の森プロジェクト」「南魚沼銘水の森間伐プロジェクト」「魚沼わくわくの森プロジェクト」「阿賀悠久の森ペレットボイラーによる温室効果ガス排出削減プロジェクト」の6プロジェクトが登録されており、第四銀行や菊水酒造など県内外の企業・自治体が購入している。平成29年までに約200社が計で1万トン近くのクレジットを購入したという。
県では、この6プロジェクトのクレジット購入企業をさらに増やそうと今年1月、第四銀行、北越銀行、大光銀行の3行と「新潟県カーボン・オフセット制度コーディネーターに関する協定」を締結した。この協定に基づき、3行は、“コーディネーター”として、企業にプロジェクトを紹介し、企業のクレジット購入を後押ししている。この結果、数十の企業が新たにクレジットを購入したという。なお、クレジットの購入はかなり安い価格(1万円台?)から可能だそうだ。
個人も商品購入でカーボン・オフセット制度に参加できる
一方、第四銀行は、自らも積極的にカーボン・オフセットに取り組んでいる。例えば、省エネ・省スペース&カーボン・オフセット型ATMの設置だ。このグリーンATMの利用で排出される二酸化炭素排出量を1件あたり20gと計算し、ATM利用がある度に、前出の新潟県J-VERの登録プロジェクトなどのクレジットを追加購入しているのだ。換言すれば、グリーンATMの利用者は、カーボン・オフセットに貢献しているといえる。
また、売り上げの一部がクレジット購入資金に充当される「カーボン・オフセット商品」の販売イベント「新潟県カーボン・オフセットフェスタinブリッジにいがた」を都内で開催。こうしたカーボン・オフセット商品の購入もカーボン・オフセットに貢献することになるといえる。