新潟県内の自治体で古代遺跡が相次いで一般公開、遺跡観光化や教育資源としても活用の動き?
三条市につづき、県内各地で遺跡を一般公開する動き
新潟県内で、発掘された遺跡を一般公開する動きが出始めている。三条市では観光むけに「保内三王山古墳群」の散策路を整備し、3日から一般公開を行っている(【記事リンク】新潟県三条市の保内三王山古墳群の散策路が地元にお披露目 2020年9月1日)。燕市と阿賀野市でも今月、遺跡の発掘調査が一般に公開される予定だ。
燕市米納津で平安時代の遺跡調査見学
燕市では12日、旧吉田町米納津地区の東側に位置する「稲葉遺跡」の発掘調査現場を一般公開し、燕市教育委員会が検出された遺構や出土品について説明する。「稲葉遺跡」は大通川左岸の沖積地に存在し、平安時代を主体とするムラ跡である。調査区では畑の畝跡と推測される溝状の遺構が多数確認されており、当時の農産物生産域と考えられている。また、今まで墨書土器やを含む奈良時代・平安時代の土器などが出土している。
開催日時は、12日10時から15時30分まで。少雨決行だが、悪天候の場合は写真と出土品の公開のみ行われる。また、参加者はマスクやソーシャルディスタンスなど新型コロナウイルス感染拡大予防のための基本的な対策を行ってほしいとのこと。開催前に県内の新型コロナウイルスの感染状況が悪化した場合は中止となる。
開催場所は、新潟県燕市米納津字稲葉103番地。
【地図】新潟県燕市 米納津地区
阿賀野市は縄文時代の遺跡発掘を動画配信
阿賀野市でも、14日から縄文時代後期のものとされる「土橋遺跡」発掘の様子や出土品の解説をYouTubeの「阿賀野市公式チャンネル」で配信する。「土橋遺跡」は約4,000から3,500年前、縄文時代後期の集落跡で、平成元年から発掘調査が行われている。現在まで住居の炉の跡や土器、石器が発掘されたほか、ハート形土偶の頭も出土している。
配信されるのは「土橋遺跡」発掘調査の様子や成果、特徴的な出土品の概要をまとめた10分ほどの動画で、タイトルコールとナレーションは阿賀野市内の小・中学生の協力で製作した。
【地図】新潟県阿賀野市 土橋