新潟県新発田市の月岡温泉への支援策に対し、「なぜ月岡温泉だけ」と読者から投書
先日、「にいがた経済新聞」宛に1通の封書が届いた。今年8月の月岡温泉旅館組合と、国土交通大臣政務官・内閣府大臣政務官の和田政宗氏との月岡温泉での意見交換会に関する弊社記事を読んだ読者からのものだった。
内容は、新潟県新発田市の繁華街「新道」など他にも新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる中小企業の人がいるのに、なぜ月岡温泉だけがひいきされるのかというものだった。
月岡温泉に対する支援策は、新発田市の二階堂薫市長が今年5月の定例会見で、「月岡温泉は関連する業種の裾野が広く、新発田市の産業のプラットフォームでもある月岡温泉から経済復興の狼煙をあげていただくためにもしっかりと支援していきたい」と発言しており、いわば市長肝いりの政策だ。
読者の投書に対し、弊社は新発田市観光振興課に電話取材を行った。観光振興課は「2月末から宿泊業者や観光バスが新型コロナウイルスであおりを食らった。月岡温泉は数十億円の経済効果があり、サプライチェーンなども含めて、すそ野が広い」と新発田市にとっての月岡温泉の重要性は認めた。
実際に、新発田市は月岡温泉に対し、新型コロナウイルス対策として、「今・得プラン」、「今・得キャンペーンアゲイン」、「今得キャンペーンプラス」と立て続けに第3弾まで実施しているほどだ。
月岡温泉というネームバリューのある観光地の観光客をできるだけ市内に回遊させたいという市の思惑は分かるが、第3弾ともなると、中には「やりすぎではないか」という声を市内の取材先で聞いたこともある。
しかし、実際に先ほどの市の担当者は「市内800店舗で使えるプレミアム商品券や、地元業者に還元するお土産セットも販売するなど、決して支援は月岡温泉だけではない。8月の意見交換会も月岡温泉以外の宿泊業者も来ていた」と反論した。
新発田市は先進的な政策が多く、全国的にもその動向が注目されている自治体だ。今後も新発田市の新型コロナウイルス対策を注視していきたい。