新潟駅前の新潟第一ホテルが朝食会場をリニューアル、厳選された食材による朝食で他ホテルとの差別化を狙う
朝食会場は海をイメージしたビュッフェへ
新潟第一ホテル(新潟市中央区)では現在、「EVOLUTION PROJECT」としてフルリノベーションをしている。その第1弾として、21日から2階を朝食バイキング会場にリニューアルオープンする。新潟第一ホテルの執行役員の八島立門氏は「お客様に驚かれるような豪華な食事、大浴場、コミックルームなどの設備で、他のビジネスホテルとの差別化を図っていきたい」と語る。
新潟第一ホテルは新潟駅万代口前に立地する。今回リニューアルオープンするダイニング・スペース「まほろ」は、以前の朝食会場、会議室、宴会場を一つにした広い空間と、海をイメージしたモダンな内装が特徴。朝6時30分から9時30分まで、当面の間、一人1,300円(税込)で70品以上の料理が並ぶ本格的なビュッフェを楽しむことができる。宿泊客以外にも、食事のみの利用も可能となっている。本来は3月から営業を開始する予定だったものの、新型コロナウイルスの影響からオープンを延期していたが、多くの要望があり9月21日から営業することになった。
会場内部は大きく二つのエリアに分かれており、入り口側は砂浜をモチーフにした明るいテーブル席が並び、奥には深海を想起させるシックで落ち着いた空間が広がる特徴的な造りとなっている。海の意匠を散りばめ遊び心に溢れた内装は、贅沢な雰囲気を湛えながらも、何度来ても飽きない工夫が凝らされている。
現在、来場者には検温と手指の消毒、そしてマスクと手袋の着用が義務付けられており、ビュッフェには飛沫防止フィルターが設置されるなど、徹底した新型コロナウイルス感染予防が取られ、ソーシャルディスタンスにも配慮している。さらに、客室のテレビから朝食会場の混雑状況が分かるシステムも整備された。
内装だけでなく、提供される料理も大きく変化した。ダイニング・スペース「まほろ」では、スタンダードな和食と、新潟のご当地メニューの2つを軸に、計70品以上の料理が提供される。その内容も、地元新潟の契約農家から米を取り寄せ、料理長の選ぶ旬の食材により季節ごとに変化するなどこだわりが光る。さらに、会場の中央にはシェフが腕を振るう様子を間近で見られるオープンキッチンが設置されている。オープンキッチンでは出来立ての鉄板焼きが提供される他、利用者の要望に応えてベーコンエッグなどを調理するサービスも可能だという。
新潟第一ホテルの佐藤料理長は「季節によって新潟や佐渡で採れた食材を使いたい。旬の食材を使ったほうがお客様に喜んでもらえるし、調理する側としても楽しい。他にも、現在オリジナルカレーを新しく開発している。今後は新潟のラーメンをメニューに追加していくなど、どんどんとアレンジを加え進化させていく予定」と意気込みを語る。
「食」で他ホテルとの差別化を狙う
新潟第一ホテルでは「EVOLUTION PROJECT」として、ホテルのリニューアルを進めている。第1弾となるのは今回の朝食会場のリニューアルオープンだが、第2弾として現在、全客室を順次改装しており、さらに第3弾としてエントランスとフロントも2021年の2月までに一新される予定だ。
現在、ホテル業界は新型コロナウイルスの影響から厳しい状況が続いている。新潟第一ホテルでも、9月現在は徐々に利用者が戻りつつあるものの、3月4月は利用者の減少に悩まされたという。総支配人の桑村哲二氏は「来年度に向けて、旅行会社様や学校、企業訪問しホテルのフルリニューアルをアピールしている。弊社は新潟駅前でお客様に支えられて長い間ホテルを運営させていただいているため、客室やホテル館内がどうしても他ホテルと比べて見劣りしていたが、コロナ禍の中で逆にホテルの改装工事を早く進め、来年度はリノベーションしたホテルでお客様を万全の体制でお迎え出来ると考えている」と全面リノベーションへの期待を語る。
新潟駅前のエリアでは、2022年4月下旬に「アパホテル&リゾート 新潟駅前大通」が開業予定であることなどからホテルの競争のさらなる激化が予想される。八島氏は「今回は新潟の食をテーマに朝食会場をリニューアルした。以前までの朝食会場も評判は良かったものの、宿泊客に対する朝食会場の利用率は、他ホテルと比べて高いわけではなかった。豪華な食事という点で他のホテルと差別化し、『新潟第一ホテルの朝食は美味しいよね』と広まることで利用者も増えてほしい。地方のホテルが全国チェーンに対して何ができるか、これからも考えていきたい」と話す。
新潟第一ホテルには、男女別の大浴場「みなとの湯」や、客室でVODなどを無料視聴できるサービス、15,000冊の漫画や絵本を揃えるコミックルーム、ホテルと直結したコンビニなど、新潟駅前では随一の充実した設備が存在し、こちらもアピールしていきたい考えだ。また宿泊プランに関しても、空き状況により料金が安くなる「お部屋タイプおまかせプラン」や、ライダー限定の「バイクの屋内駐車場確約プラン」など個性的なプランが人気を集めているという。
10月から国のGoToトラベルキャンペーンが東京在住者にも適応されるなど、今後は県外からの旅行者が増加すると考えられる。この点に関して桑村氏は「当ホテルは元々、県外、特に関東からの利用者が多かったことから、今後の流れには期待している。リニューアルした朝食会場で新潟のご当地メニューを推していることも、県外から観光に来た方へ新潟の良さを知ってもらいたいというのが理由。当ホテルはGoToトラベルキャンペーン事業に参画しており、キャンペーンの条件に適応すれば、期間中最大で35パーセント宿泊料金が割引になる。お客様に安心して利用していただけるように、新型コロナウイルス対策をしっかりと行っている」と語った。
【関連リンク】
新潟第一ホテル 公式webサイト
https://0252431111.com/