株式会社プラスワイズ(新潟県三条市)が今年春からユニークな長期インターンシップ、インターン生が農作物のPVを製作
インターネット通販で農業用品をはじめ、スポーツ用品やアウトドアグッズなどを販売する株式会社プラスワイズ(新潟県三条市)が今年春からユニークな長期インターンシップを行なっている。
プラスワイズは農業資材の販売を手がけていて、取引先である農家に「元気になってもらいたい」と考えているが、国内市場は人口減少などで縮小傾向。そこで農作物の輸出ビジネスを、いつくかある新規事業の候補として検討している。そうした中、インターン生にインドネシアなどをターゲットにした農作物のプロモーションビデオ(PV)を企画・製作してもらうことにし、春からZoomを活用し、インターン生と週1回のペースでオンライン会議を行い、製作するPVの内容などについて打ち合わせを重ねてきた。
打ち合わせの結果、製作することになったのは、和梨が登場するラブストーリー仕立てのPV。長さは2分程度。新潟大学3年生の西山はなさんが「制服」を着て出演するなど海外の人が興味を持ちそうな日本のカルチャーやダンサーも登場する。言葉の表現もなく言語に関係なく楽しめるという。
取材に訪れた18日も新潟市の万代島で撮影を行っていたが、まもなく完成する予定で9月中にアップするそうだ。「インドネシアは果物を買わない文化。こうした中、和梨だけでなく日本文化(制服など)も入れたプロモーションビデオを観てもらうことで日本の農作物を買いたくなるようにしていきたい」。今回のインターンやPV製作にも深く関わってきた新潟ベースの伊藤豪代表はこう話していた。
プラスワイズは平成24年5月の設立。7年半で売上高10億円を達成し昨年11月には「売上高10億円達成記念祝賀会」を開催している。
インターンについては、これまで短期インターンは行ってきたものの、長期(6ヶ月)のインターンは今回が初めて。長期インターン開始に先駆け今年3月、学生と社会人が集うコミュニティなどの企画・運営を行う新潟ベースの伊藤代表にプラスワイズに籍を置いてもらい、プラスワイズと新潟ベースの合同(合同インターン)の形で長期インターン生の募集を始めた。
こうした中、新潟ベースのツイッターを見て応募してきたのが、新潟県立大学4年生で起業家志望の上村宗さん。「ツイッターを見て直感的にやりたいと思った」(上村さん)という。
だが、折しも新型コロナウイルス感染症が拡大。そこでZoomを使って、対象とする国やPVの内容などについてミーティングを行ってきた。参加メンバーは伊藤代表、上村さん、そして毎回ではないがプラスワイズの芳賀聡常務も参加した。
また、輸出手続きについて勉強したり、インドネシア人にインタビューしてインドネシア人の好みを探ったりもした。芳賀常務は、「私のほうが逆に輸出入手続きなどについて勉強させてもらえた」と話していた。
まもなくインターンは終了する。大学生との交流も多い伊藤代表は、「インターンは学生がお客様(採用予備軍)になってしまう側面がある。しかしこれでは当事者意識が持てない。しかし今回のインターンでは会社の課題、社会の課題、農業の課題を認識し、その解決を考える内容だった。(上村さんは)仕事に没入できたと思う。他社でもビジネスとしてインターン(インターン生が当事者となって課題解決にしっかりと取り組むインターン)を実施してもらいたい。そうすれば結果として採用に繋がっていくと思う」と話していた。
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