村上総合病院12月開院に向け 19診療科でスタート【村上新聞】
感染症対策「陰圧室」各病棟に
待望の基幹病院、村上総合病院(林達彦院長)が12月に駅西(緑町地内)に新築開院する。村上市9月議会で、鈴木いせ子議員の一般質問で明らかになった現況をもとに、市の関係課、同病院の石井栄二事務長に最新の竣工に向けた進捗状況について伺った。
JA新潟厚生連による村上総合病院の移転新築事業は、2019(平成31)年1月に建設工事着工、今年12月1日の開院に向け順調に工事が進められており、10月初旬に建設会社から厚生連に引き渡される。11月末までの間に、新たな医療器や備品の搬入を行い、関係法令の申請に併せた検査、ヘリポートの離発着訓練などを行う。
休診期間を11月28日から12月2日までの5日間とし、この期間に現在の病院から新病院へ物品を移設。1日に入院患者の移送を行い、3日から外来診療を開始する予定だ。休診期間中の救急対応は、近隣の医療機関等の協力を得ながら調整を行う。
病床数は263。医師の確保については、開院時において問題なく19診療科がスタートできる見込みで、院内保育所を設置するなど、就労環境を整備し、特に女性医師の確保に力を入れていく考えだ。
新型コロナ対策としては、インフルエンザ対応と併せて、院内感染を防ぐ「陰圧室」を各病棟と救急外来に整備する。
交通体系については、新潟交通観光バスが運行する多くの市内路線バスが乗り入れ、「まちなか循環バス」「瀬波巡回バス」が病院経由ルートに変更になるほか、乗り合いタクシーも新病院を乗降場所とする。市が担当する周辺道路、松山バイパスにつながる幹線道路についても開院まで完成する予定になっている。
石井事務長は「新病院で特に力を入れる点は、今後の地域包括システムの構築において、当院が中心的な役割を担うことを考慮して、正面玄関前に地域連携センター『つなごうて』を設置。現病院で別々に配置している『地域医療連携室』『居宅介護支援事業所』『訪問看護ステーション』『医療福祉相談室』を一カ所に集め入退院を含め、医療・介護・福祉の相談をワンストップで行うなど、地域連携や訪問看護などの体制が整備、強化されることになる」と話した。
村上新聞2020年9月20日号