新潟の特産品と古町の活性を応援する学生居酒屋「re:late」

学生居酒屋「re:late」店内の様子
店名は、「関係性」を意味する英単語relationに由来し、古町や新潟の交流と情報発信の場になることを願ってつけられたという

居酒屋を新潟の特産物と古町の情報発信の場に

新潟市中央区の上古町商店街に、8月5日から新潟国際情報大学の学生が中心になって経営する学生居酒屋「re:late」がオープンしている。学生として経営を学びながら居酒屋の代表も務める西村真武さんは「この居酒屋から新潟の特産品を発信し、交流の場とすることで古町も活性化していきたい」と語った。

居酒屋「re:late」のコンセプトは「新潟の農産物やお酒を広める、情報発信の拠点」。メニューは、県内各地の農家から提供された特産物を用いた創作料理や、新潟の地酒が中心となっている。また店舗に関しても、「新潟元気プロジェクト」参加企業からの協力を得て古町の空き店舗をリノベーションした。

西村さんは、「大学の授業で県内の農家を訪ね、そこで農業の現状を知った。『作った農産物をJAに出すと中間マージンを取られてなかなか利益が上がらない』などといった話を聞き、農家にしっかり利益が行く仕組みを作りたいと思った。あと、新潟の日本酒もまだ知られていないものがたくさんあって、そういった“新潟”をもっともっと知ってもらう場所が欲しかった」と開店の経緯を語る。

「re:late」テーブル席

「re:late」テーブル席

西村さんは、新潟の産業だけでなく、上古町商店街の活性化もしていきたいと話す。「今、自分たちと同じ世代が遊びに行くとしたら万代や新潟駅前が中心で、古町に来る人は少数派。居酒屋にしても、少し年代が上の人が行く格調高いイメージがあると思う。でも、古町にも若者に魅力的な店がたくさんあることを、もっと知ってもらいたい。自分たち学生が居酒屋を営むことで、古町に入りやすいイメージを作っていきたい」(西村さん)。

「re:late」はメインとなるカウンター席が中央に設置され、周りに2箇所のテーブル席がある造り。来店した人は店員の学生や、他の席の人と会話しやすい距離感になっている。利用者は古町に校舎を持つ専門学校の学生たちや、仕事帰りの若いサラリーマンが多く、西村さんは「re:late」が古町に住む人々の交流の場となることを期待している。

また「re:late」は、居酒屋と併設して古着屋も営んでいる。上古町は若い経営者による古着屋やアパレルショップなどが軒を連ねており、居酒屋を利用できない中高生や、昼の時間帯に古町を訪れる客層を取り込んでいきたい考えだ。なお、こちらの店舗の開店は土曜・日曜日の11時から16時限定となっている。

居酒屋と併設している古着屋

 

学生が活躍できる場所を提供する居酒屋

西村さんは新潟市秋葉区の生まれ。現在は新潟国際情報大学の経営情報学部4年生。同大学の経営情報学部経営学科専任講師、土屋翔氏の元で学んだことがきっかけで新潟の農業について考え始め、2年生の冬ごろから開店準備に関わってきた。西村さん以外の店員も、土屋氏がゼミ生やサークル活動で関わる学生に声をかけて集めた。土屋氏も、学生とともに店に立ち接客をしている。

大学へ通いながら居酒屋の代表を務める西村真武さん

居酒屋「re:late」は、かつてこの場にあった喫茶店「カフェ砂場」を改装して営業している。営業場所は当初、新潟大学からの集客を狙って新潟市西区近辺などが候補に上がっていたが、土屋氏と学生たちが上古町商店街と元「カフェ砂場」の雰囲気に惹かれ場所が決定した。

また土屋氏は、学生たちの活躍できる場を生み出したいという思いもこの店を営業する理由だという。「学生が自分を体現できる場所がつくりたいと考えている。学生が『私はこれができる』というものが一つでもあれば、なんでもいいのでここでやってみてほしい。教科書を読んでいるだけじゃ学生も実感が湧かないのに、現在は学生が学んだことを実践できる場所がない。若いからダメ、とか、経験がないからダメ、という風潮は古くて、これからは実際に行動して自分をいかに表現するか、という時代」(土屋氏)。西村さんは、今後は国際情報大学の外国語を専攻する学生による外国人への発信や、古町の専門学生とのコラボ、さらには居酒屋を使った企業と学生の交流や、就職活動の場としての展開など、今後「re:late」をさらに幅広い人々に交流の場として使ってもらう構想を語った。

学生居酒屋「re:late」 外観

【店舗概要】
店舗名/学生居酒屋 re:late
所在地/新潟市中央区古町通三番町724−2 2階
営業時間/17:00−24:00
定休日/月曜日
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