新潟県が19の医療機関などを「原子力災害医療協力機関」として登録
新潟県は25日、原子力災害時の被ばく患者などの初期診療や汚染測定、安定ヨウ素剤の配布支援などに協力する19の医療機関などを「原子力災害医療協力機関」として登録した。
原子力災害特別措置法に基づき定められた原子力災害対策指針(平成27年8月改正)において、原子力発電所立地道県(13道県)などは、原子力災害医療の中核を担う「原子力災害拠点病院」を指定するほか、県や原子力災害拠点病院が行う原子力災害対策に協力できる「原子力災害医療協力機関」を登録することとされている。
これを受け、県では、原子力災害拠点病院について平成30年11月に、新潟大学医歯学総合病院と県立がんセンター新潟病院の2病院をグループとして指定するとともに、新潟大学医歯学総合病院を中心的な役割を担う「基幹原子力災害拠点病院」に指定している。
この指定に加え、今回、原子力災害医療協力機関を登録したことで、「原子力医療体制が完成した」(県)という。今後は、「訓練や研究を通じて、実行性を高めていく」(同)。具体的には、新潟大学医歯学総合病院を中心に研究会を開催するほか、10月の総合防災訓練に合わせ、一部病院で搬送訓練などを行う。
なお症状が最も重い患者は、「高度被ばく医療支援センター(福島県立医科大学附属病院)」が受け入れ、それよりも症状の軽い患者は「原子力災害拠点病院(新潟大学医歯学総合病院)」が、さらに軽傷の患者は「原子力災害医療協力機関(災害拠点病院など)」が受け入れる(下の表参照)。
県では、先述の通り、原子力災害対策指針(平成27年)を受け、平成30年に県立がんセンターが災害医療や救急医療の面で十分でなかったことから、新潟大学医歯学総合病院とのグループで原子力災害拠点病院に指定した。
その後、今年3月に新潟大学医歯学総合病院に原子力災害医療棟が完成したことから、新型コロナウイルス感染の問題もあったことから今年6月から、原子力災害拠点病院と原子力災害医療協力機関との役割分担を議論してきた。