新潟県の花角英世知事が県立加茂病院と県立吉田病院の指定管理者候補の選定を発表
新潟県の花角英世知事は9日、新潟県庁で定例会見を開き、県立加茂病院(新潟県加茂市)と県立吉田病院(新潟県燕市)の指定管理者候補の選定を発表した。
指定管理者候補には、県立加茂病院は医療法人崇徳会(新潟県長岡市)、県立吉田病院は医療法人愛広会(新潟市北区)を選定した。6月議会で指定の議決を受けた後、指定管理者に指定される予定という。
2つの県立病院を指定管理者に移行することについて花角知事は、「両医療法人共に県内で回復期の病院経営の実績があり、さまざまな福祉介護施設も運営している。知見やノウハウを持っているので、それを活かしてこれまで以上に効率的、効果的に運営していただくということが期待できると思っている」と話した。
一方、2病院は赤字経営となっていることが問題視されていた。指定管理者による財政面の見直しへの期待について花角知事は、「結果として経営が改善されることは期待できると思っているが、まずはこれまで以上に利用者にとってより良いサービスを提供できることが最初の目的だ」と話した。
また、指定管理者制度の導入により、地元住民から経営効率が重視され、これまで受けられていた医療が受けられなくなるのではないかという懸念の声があがることが予想される。地元住民に対して、どのように理解を得ていきたいかとの質問に対し花角知事は、「(指定管理は)県営で無くなるわけではなく、県立病院のままなので、そこは誤解が無いようにしていただきたい。サービス水準が下がることは、全く意としていない。一定の方針を示し、その方針に沿って経営していただくので、心配されるような懸念はないと思う。地域の人の心配があるとすれば、しっかりと丁寧に説明していく必要があると思っている」と話した。
加えて花角知事は、2023年に新潟県三条市で開院を予定している県央基幹病院との関連にも触れ、「県央基幹病院と県央地域病院との役割分担を、丁寧に地域の皆さんに説明していかなければならないというのは、県央基幹病院サイドにもある。一緒に説明の機会を増やして、理解を広げる努力が必要だと思っている」と話した。
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