(株)ホンダウォーク(新潟県上越市)が農作業用機械のPB「プラウ」開発を強化、店舗運営ではFC展開も視野に
薪割り機、芝刈り機などの企画・開発・製造・販売(店舗、ネット)を手がける株式会社ホンダウォーク(新潟県上越市)が、農作業機械などのプライベートブランド(PB)「プラウ」の生産体制を強化する一方、店舗展開では関東地域へのフランチャイズ(FC)展開を視野に入れている。
ホンダウォークは従来、冬季用の除雪機の売り上げウエートが高かった。除雪機は例年5月にメーカーに発注しないと冬季シーズンには在庫がなくなる商品で、毎年、需要予測を立てて早い段階で発注してきた。しかし、近年のように暖冬少雪が続くと見込みがずれて、経営の懸案材料となっていた。ホンダウォークでは除雪機への依存体質から脱却する試みとして、PB「プラウ」の開発に乗り出したという経緯がある。
PBは中国提携工場での生産により、例えば芝刈り機では市販メーカーより約半額の7万円前後で販売している。PBの「プラウ(PLOW)」とは英語で耕すという意味だが、もうひとつプライス(P)がロー(安い)という意味が込められている。仕様を日本用に改善したり、錆びない部品を使用するよう要求したりするなど、数千台のロットをまとめて発注することで、低価格の商品を開発している。
石塚賢一郎代表取締役CEOは「いいものは高いというのは昔の話で、今は値ごろ感がないと売れない。安かろう悪かろうではダメだ。当社はアフターサービスにも力を入れている。それが信用につながる」と話す。
また、日本では薪割り機といえば「プラウ」と言われるほど代名詞となっている同社の薪割り機だが、ネット販売を含めて年間2,000台を販売するヒット商品となっている。薪割り機の顧客層は、薪ストーブを所有する富裕層がメイン。中国製よりも、グレードの高い商品を求めるニーズがあることから、新潟県内の部品工場と提携し、上越市内で組み立てている。「MASAKARI」ブランドとして展開し、40万円前後で販売しているが、上越市が全国に発信すべく創立した「メイド・イン上越」にも認定されている。
一方、店舗については現在、新潟県の新発田店、長岡店、上越店、長野県安曇野店、福島県会津店、山形県南陽店に6店舗を展開しており、会津店のみFC展開している。今後は埼玉県鶴ヶ島市、群馬県高崎市、伊勢崎市、千葉県茂原市などへのFC展開を検討している。
石塚代表取締役CEOは「東京23区は無理だが、関東でも少し郊外であれば商圏になる」と話す。また、本社のある上越市の上越店は「長野市や富山市から客がドライブがてらに来る。広範囲のマーケットがあるので、ニッチな分野でも成り立つ」と話していた。