東京商工リサーチ新潟支店が「9月度新潟県企業倒産状況」と「2020年上半期新潟県企業倒産状況」を公表
9月度の倒産件数は4件
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は2日、「9月度 新潟県企業倒産状況」と「2020年上半期新潟県企業倒産状況」(負債額1,000万円以上の企業倒産)を公表した。それによると、9月の県内の倒産件数は4件(前年同月は4件)、負債総額は3億1,000万円(前年同月は2億3,200万円)と、件数は同じだったが、負債総額とも前年同月と比べて増加した。
上半期の県内の倒産件数は37件(前年同期は43件)、負債総額は64億9,700万円(前年同月は66億200万円)と、件数、負債総額ともに前年同期と比べて減少した。
9月度の倒産件数は、前年同月比では同数であったが、前月比では20.0%減(1件減)。9月度としては、集計開始以来59年間で55番目、1990年以降の31年間では29番目となった。
負債総額は、前年同月比で33.6%増(7,800万円増)、前月比では38.1%減(1億9,100万円減)であった。過去59年間で53番目、1990年以降の31年間では28番目となった。
産業別では、10産業のうち「卸売業」が2件、「製造業」・「小売業」が各1件で、いずれも販売不振による倒産であった。形態別では、「破産」が3件、「特別清算」が1件。4件全てが30年以上の業歴で、地域別では「上越市」が2件、「村上市」・「佐渡市」が各1件。負債総額10億円以上の大型倒産はなかったが、新型コロナウイルス関連倒産は1件発生した。
9月度の主な破産としては、株式会社マルトミが9月1日、新潟地裁高田支部より破産手続開始決定を受けた。
大正年間に上越市内において創業された丸富商会を前身とする(株)高田丸富商会(1995年解散)の関連会社として1987年8月に設立され、上越地区にて農機具・消防 機器・除雪機器などの販売を事業としていた。創業時から地元での営業基盤を形成し、1997年1月期には売上7億円を計上していた。
しかし、その後は、農業従事者減少による需要の低下や、暖冬による少雪の影響から除雪機の販売減少が進み、業績低下が見られるようになって、近年の年商は約3億円にまで縮小していた。業績回復の見通しも立たず、事業継続を模索していたところで、4月に他社に事業譲渡を行ない、清算業務を進めていたなか、今回の措置となった。
2020年上半期の倒産件数は前年同期よりも減少
2020年度上半期(4月から9月)の新潟県の企業倒産件数は、前年同期比13.95%減(6件減)となり、上半期としては集計開始以来59年間で55番目、1990年以降の31年間で30番目の件数となった。
負債総額は、前年同期比1.59%減(1億500万円減)で、過去59年間で47番目、1990年以降の31年間で28番目となった。
産業別では、10産業のうち「サービス業他」が最多の11件、「製造業」・「小売業」が各7件、「卸売業」が6件、「建設業」が3件、「農・林・漁・鉱業」・「不動産業」・「情報通信業」が各1件ずつであった。
原因別では、「販売不振」が26件と最多、「既往のシワ寄せ」が8件、「他社倒産の余波」が2件、「信用性低下」が1件であった。
形態別では、「破産」が30件と最多、「特別清算」が4件、「銀行取引停止」が3件であった。
地域別では、「上越市」が7件と最多、「長岡市」が6件、「新潟市」が5件、「柏崎市」・「新発田市」・「村上市」・「燕市」・「見附市」・「妙高市」・「佐渡市」・「魚沼市」が各2件、「三条市」・「胎内市」・「南魚沼郡」が各1件発生。
負債総額10億円以上の大型破産は1件発生した。