「収容数ゼロを目指して」新潟市中央区、いくとぴあ食花・新潟市動物ふれあいセンターで動物と交流

 

コロナ禍により、ペット需要が増す中、新潟市中央区にある「新潟市動物ふれあいセンター」では、定休日を除いた毎日、保護動物の譲渡会を行っている。コロナ禍以前は、月に決まった日にちでしか譲渡会を行っていなかったが、コロナ禍に入ってからは、組数の制限はされているものの、毎日譲渡会を行っている。譲渡だけではなく、「新潟市動物ふれあいセンター」は多種多様な動物と交流することができる。センターで交流することができる動物の種類は現在、犬、猫、モルモット、ウサギ、羊、ヤギ、アルパカ、カピバラを間近で見たりできる。

猫の繁殖期は、4月から6月でセンターに入ってくる仔猫は多いという。ほかにも、9月から10月が繁殖期で保護される数は増えるという。

譲渡される動物は、新潟市動物愛護センターなどから引き取っていて、動物ふれあいセンターで慣らした後、希望者に譲渡されている。今回は、新潟市動物ふれあいセンターの運営管理・飼育管理グループ高橋俊介マネージャーに施設の現状や譲渡の様子などをインタビューしてきた。

 

複合施設の「いくとぴあ食花」という施設の1つであるということが特徴

「新潟市動物ふれあいセンター」の特徴を聞くと、複合施設の「いくとぴあ食花」という施設の1つであるということが特徴だそうだ。家族連れの割合が多く、併設する「こども創造センター」や同じく併設する「食育・花育センター」に遊びに来ていて、「新潟市動物ふれあいセンター」には、動物と交流目的で来ていたが、その流れで譲渡会への参加を決めて、犬・猫の譲渡まで行くケースも珍しくはないという。

昨今は、多頭飼育崩壊が問題になっているという。新潟市では、「新潟市動物の愛護及び管理に関する条例」で,犬猫合わせて 10 匹以上飼育している場合の届出が義務付けられている。この届出をせずに飼育している人がいるという。多頭飼育崩壊が起こると、動物ふれあいセンターは、忙しくなるのはもちろんではあるが、それ以上に放棄された犬・猫のことを高橋マネージャーは憂いていた。飼うことに責任をもってしっかりと管理しないと、人間のわがままで窮地に立たされる小さな命があるのを忘れてはいけない。

「新潟市動物ふれあいセンター」のホームページでは、現在収容されている犬・猫の情報やセンターからのお知らせが掲載されている。リアルタイムで犬・猫を欲しがっている人は是非チェックしてみると、様々な情報が得られる。センター側も情報発信や宣伝を積極的に行っていて、施設内の壁にはイベントの情報や引き取られた猫や犬のその後を、引き取った動物の飼い主が書いて、センターに送ったものが掲示されている。わからないことがあれば、気軽に話しかけたり電話したりで相談して欲しいそうだ。

 

核家族が飼うケースが増えてきている

現在、新潟県のペット事情は、飼うのは戸建てだけということもないらしく、ペットの飼育許可を得たマンションやアパートなども増えているらしい。核家族が飼うケースが増えてきているという。飼う家が増えれば、当然トラブルも増え、無責任な飼い主も増えていく。結果、社会問題化をして世の中の目を引いていく。前提として、センターは動物を渡すことを仕事にしているわけではなく、動物を「託す」ことが仕事だ。譲渡した動物の幸せも含めて、事前審査が行われている。厳しすぎる精査というわけではないが、なんでもかんでもよしということでしているわけではないという。

センターのこれからの課題は、入ってくる収容数を減らす取り組みを強く発信していきたいと語っていた。高橋マネージャーは、「スタッフはみんな動物好きなので、気軽に声をかけて頂きたい。施設外でもわからないことがあれば、電話などで問い合わせをしてくれれば、わかる範囲で応えようと思う。収容数ゼロを目指して、動物の知識やルール、施設でのイベントを強く発信していきたいと思う。いくとぴあの施設を楽しんで回る中で、ぜひともうちの施設(動物ふれあいセンター)に立ち寄ってほしい」と明るく話していた。

定期的にイベントを開催しているというので、ホームページなどで確認して、一度訪れてみると楽しいだろうなと筆者は思う。

センターで保護されているサザエちゃん

新潟市動物ふれあいセンターの高橋俊介マネージャー

保護された猫の調子を確認する職員

(文・撮影 児玉賢太)

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