老舗料亭「大橋屋」(新潟市中央区)で古町芸妓の派遣制度を活用した会合
12日夜、新潟市中央区の老舗日本料理店・大橋屋で、古町芸妓を呼んだ経営者たちの会合が開かれた。
ふるまち芸妓といえば、京都の祇園、東京の新橋と並び称されてきた花街・新潟古町で200年の伝統を誇り、みなとまち新潟を代表する文化のひとつだ。
一方、新潟の歴史と風情を残す下町・本町通十一番町にある大橋屋の創業は慶応2年(1866)。新潟奉行・川村清兵衛氏の下屋敷を買い取り、鮮魚仲買商を始めたことに端を発する。大橋屋4代目・慎太郎氏は大正8年(1919)、鮮魚仲買商と料理・仕出しを兼業することを決心し精進料理・婚礼料理・仕出しを始めたという。
さらに昭和8年7月、慎太郎氏は当時全国の話題となっていた東京・目黒の雅叙園を一目見ようと上京。雅叙園の豪奢で綿密な意匠を目の当たりに新本館の建設を決意、同年8月に着工し昭和10年12月に竣工した。当時では珍しい3階建ての豪奢な日本建築で、国の登録有形文化財に指定されている。
歴史ある老舗料亭で、艶やかな着物をまとった古町芸妓とともに、新潟清酒と新潟の逸品を堪能するひとときは、湊町として栄えてきた新潟を感じることのできる特別で贅沢な時間と言えるが、いま、この古町芸妓を無料で派遣してもらえる事業が行われている。
古町芸妓育成支援協議会(事務局:新潟商工会議所まちづくり支援課)の芸妓派遣制度だ。新潟市新しい観光スタイル推進協議会の補助を受け、結婚〇周年、創立〇周年、卒業〇周年など『特別な時』を新潟市内の料亭などで祝う宴席に古町芸妓を無料で派遣するという(ただ、各料亭で無料派遣を使える回数に制限があるほか、無料派遣制度をどの座敷で利用するかは店主の判断に任されている)。
12日の会合でもこの制度を活用したそうだ。会は2か月に1回開催されていて、普段から古町芸妓1〜2人を手配しているが、この日は20回目の記念の会ということで、制度を使って、小りんさん・菊乃さんを派遣してもらったほか、千秋さんを派遣事業とは別に有料で1時間手配したのだ。その甲斐あって、いつもより賑やかな会合となり、話もいつにもまして弾んでいたようだ。
是非、この機会に「老舗料亭」と「古町芸妓」という新潟の歴史を感じてみてはいかが?
【関連サイト 新潟商工会議所「古町芸妓派遣事業について」】
https://www.niigata-cci.or.jp/?s=%E8%8A%B8%E5%A6%93