新大医学部医学科に「新潟県女性医師総合支援センター」の分室を開設
新潟大学医学部医学科は、新潟県と共同で女性医師の復職などを推進するため、一般社団法人新潟県医師会に設置されている「新潟県女性医師総合支援センター」の分室を新潟大学医学部医学科に設置した。これに伴い、16日、新潟市中央区の新潟大学旭町キャンパス内で記念式典とオンライン講演会を行った。
新潟県は令和元年に新潟県女性医師総合支援センターを新潟県医師会に開設。子育て、復職、キャリア形成の相談に専任相談員が対応している。今回はその分室を女子学生が多い新潟大学医学部医学科に開設した。
新潟大学医学部医学科によると、入学者の20%から35%が女性という。
また、女性医師は子育て世代の離職と早期リタイヤが多く、育児などにおける上司や同僚の理解が必要だとの新潟県医師会によるアンケート結果もある。
新潟大学の染矢俊幸医歯学系長・医学部長は「早期リタイヤが多い女性医師の確保が問題で、復職支援などで1人でも多く確保できるような仕組みづくりが必要。医師の働き方改革が求められている。医学科の分室では復職や子育て、介護の悩みを受け付ける」と挨拶の中で語っていた。
その後、新潟県の花角英世知事がビデオメッセージで登場。「健康は社会的な課題となっている。新潟県も健康立県を進めている。新潟県は医師不足だ。医師の確保は勤務環境の改善や結婚、出産などのライフステージに合わせて、働きやすい県になることが重要だ。支援の拡大や体制強化を図るため、今回、分室を作った。女性医師の増加や定着にもつながるだろう」と話していた。
また、新潟県医師会の堂前洋一郎会長は「子育て世代の女性医師に復職支援をしてほしい。分室はそういった方を支えてもらいたい」と話し、新潟大学の牛木辰男学長は「県、医師会、大学との連携を深め、医療の深みが増すことを願っている」と挨拶した。
記念式典終了後、埼玉医科大学総合医療センターの名越澄子消化器・肝臓内科教授が、「男女共同参画と医学・医療の持続的発展」と題して、講演会を行った。