新潟県燕市に県内初のサブスクリプション型インターネットカフェが開店、地域交流の活性化を狙う
燕駅前に佇む「遊び」と「交流」の秘密基地
新潟県燕市に19日、サブスク型インターネットカフェ「magia(マギーア)」がオープンした。インターネットカフェの機能だけでなく、麻雀、ボードゲームイベントの開催、コワーキングスペース利用などを揃え、地域の交流を活性化するサロン的な総合空間を提供する。
JR燕駅前の狭い路地を通った先に佇む「magia」のコンセプトは、「秘密基地」あるいは「隠れ家」。入り口から踏み入れてすぐの1階は、赤色に統一されたはインターネットカフェスペースで、まさに喫茶店のように解放的なテーブル席と、個人用のパーテーションに仕切られた席の2種類が用意されている。2階は1階とは対照的に、落ち着いた青い空間が広がる個室エリアとなっており、各部屋に用意されたスクリーンで、TVゲームや、ボードゲームなどを楽しむ空間としても、コワーキングスペースとしても利用が可能。3階は黒に統一された和風の空間で、フリースペースと麻雀卓が用意されている。
料金は、ビジター利用が30分200円。月額利用が2,980円で、麻雀卓を利用する場合は、月額3,480円。1フロア貸切の料金は、1階・2階が1時間2,500円、3階が1時間3,000円となる。全館貸切は1時間7,000円。
燕の若者の交流から、地域に遊び場の創出を
オーナーの稲村隆行氏は、2018年12月に三条市でオープンしたマドレーヌ専門店「マギーアマドレーヌ」の創業者。同店はテイクアウト専門でイートインスペースも無いため、より顧客とのコミュニケーションを取ることのできる事業に挑戦したいという思いから始まったという。「今年のコロナ禍で多くの飲食店は影響を受けているが、当店はテイクアウト専門のため比較的影響は無かった。しかし、ファンや常連がいて、お客さんとの関係性で存続できた店舗の店の話を聞き、『やっぱりコミュニケーションをしっかりとることって大切だな』と思った。マドレーヌ店の方はスタッフも育ってきて繁忙期以外は私が居なくても回るようになってきたため、新しい事業を始めるには今だと考えた」(稲村氏)。
「magia」はかつて化粧品店だった建物をリノベーションして使用しており、店内に輝く店のロゴや、1階個人スペースに並ぶ鏡にその名残を見ることができる。3階はもともと物置として使われていたが、稲村氏自ら化粧直しして正に隠れ家らしい部屋へ生まれ変わった。置かれている家具も雰囲気を演出するが、こちらも元からこの建物に置かれていたもののようだ。空き家の有効利用は燕市が近年力を入れる事業でもあり、「magia」開店までには市の協力もあったという。
マドレーヌ店のある三条市ではなく燕駅前を選んだのは、近辺のゲストハウス「トライアングル」のオーナーとの会話がきっかけだと稲村氏は話す。「トライアングルのオーナーと話していて『ここらへんは遊ぶ場所無いよね』という話題になった。“magia”はサロンのような感じで会員同士のコミュニケーションの場となって、そこから新しい事業も展開していけたらと考えている。燕の町にゲストハウスが一つあって、その周りに遊び場を増やしていきたい」。
稲村氏は今後、ボードゲーム大会や麻雀大会、カフェ会など、多くのイベントを企画している。開店から間も無いが、すでに20人ほどが月額登録をしているという。また、31日まで初月無料などのオープンキャンペーンも行っている。燕三条駅周辺に商業施設が集中している県央地域だが、「magia」や「トライアングル」が若い世代の交流の中心となり、市も積極的に関わっていくことで地域が活性化していくことが期待される。
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magia 公式サイト