糸魚川産の隠れた逸品「越の丸なす」

価格は通常のなすの倍以上

糸魚川市産の名産品と聞くと、ヒスイが思い浮かぶが、食関連でも、本ズワイ、よもぎなど様々な名産品がある。越の丸なすもその一つだ。

越の丸なすは糸魚川市で生産される大型の丸なす。在来の品種ベースに新潟県農業試験場で育成されたもので、直径は10cm以上と大きく、1個の重量は180グラムから300グラムもある。また「甘みが強く、色も濃く光沢がある」「肉質が締まっており、加熱調理しても煮崩れしにくい」など様々な特長があり、“なすの大トロ”などとも呼ばれている。

生産された越の丸なすは、一部地元で販売されているものの、そのほとんどが築地を中心に金沢などの市場で取引され、高級料亭やホテルの食材として使われている。価格は通常のなすが200~300円/kgに対し、越の丸なすは600円/kg近くになるそうだ。さらに今年は“ライバル”である関西の高級ナスの生産が減ったことから、丸なすの価格は高騰し、キロ当たり700~800円になっているようだ。

関連商品も生まれていて、丸なすジャムや、丸なすマドレーヌ、丸なすおやきなどがあるという。

一方、現在、生産者はわずか18名しかおらず、新規栽培者の確保が課題となっている。このため地元では、ミニ農業塾を開催。難しいといわれる生産技術などを伝授することでし、生産者の増加を目指している。

なお、まもなく今年のシーズンは終わるそうだ。

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