県内初の5G通信実証実験を開催 新潟コンピュータ専門学校が新潟市経済成長産業支援課、NTTドコモと連携
新潟コンピュータ専門学校×新潟市×NTTドコモによる5G実証実験
新潟コンピュータ専門学校は26日、新潟市経済成長産業支援課、NTTドコモと連携し、新通信技術「5G」の実証実験を万代シティーパークにて行なった。5G通信技術を利用した、『隔地からのロボット操作』、『低遅延動画配信』、『XR技術(実世界、デジタルコンテンツ、ユーザーが結合された環境)を利用したゲーム』、『VRコンテンツ配信』などを展示したブースが並べられ、参加者はそれぞれ自由に新技術の体験を楽しんだ。
また特別ゲストとして、新潟古町を拠点に活躍しているアイドルユニット「RYUTist(リューティスト)」が参加し、5G受信端末20台を駆使した新感覚ライブのデモ配信を行った。ライブ終了後、RYUTistメンバーは各ブースを一通り体験し、「未来を感じる」と笑顔をこぼした。
NTTドコモ新潟支店長の久保田敦紀氏、新潟市役所経済部長の長井亮一氏、新潟コンピュータ専門学校学校長の小島友昭氏が開会に際して挨拶した。久保田氏は「新たな通信技術である5Gで実現したいことが二つある。一つ目は、音楽やスポーツ、観光など、あらゆるサービスを創出し、新たな価値の提示に努めることだ。二つ目は、5Gで少子高齢化、地方創生、労働減少などの社会課題の解決に貢献することだ。『5Gは世界をつなぐ』という想いで、人々の暮らしがより便利で豊かになる事を目指して取り組んで行きたい」と、今後の5Gに対する可能性の大きさについて語った。
長井氏は、「5Gは幅広い分野で活用可能であり、ひいては、更なる未知のビジネスの可能性をもっていると考えているので、大いに期待をしている。会場である新潟シティパークは県内最初の5G施設で、今後は最先端のサービスを体感できる実証拠点となる。これからも市を上げて、先端技術の活用した実証実験に協力し、先端技術者とサービス創出の一助を担いたい。アフターコロナも見据えて今後も精力的に取り組んでいきたい」と話した。
小島氏は、「今回のイベント開催は、私一つの大きな夢が叶ったとも言える出来事だ。新たな通信技術整った次は、新たなコンテンツが必要になる。楽しさや、ワクワク、ドキドキといった感情を持ってコンテンツ制作に取り組みたい」と5Gを利用したコンテンツ制作の必要性について語った。
専門学生もコンテンツ作成とイベントスタッフに参加
会場のブース内には専門学生がスタッフとして配置されており、来場者に対して展示物の説明を行なっていた。また、スタッフとしては関わっていないが、本イベントの見学に来る専門学生も散見した。見学に来た専門学生の1年生は、今回のイベントを体験し、「5Gを体験するのは初めてなので、とても刺激的で楽しい。これから5Gは通信の主流になると思うので、これらの技術をうまく利用したコンテンツを生み出したい」と話した。
また、本イベントにあたり、実際にVRコンテンツの作成に携わった学生は今回のイベント経験に対し、「自分が入学して初めて触ったVR空間は、とても感動したことを覚えている。今はこうして自分が作り手側に回ってユーザーに体験を届けているが、当時の自分と同じような反応するユーザーをみると、不思議な感じがする」と話した。
イベントを通じて新潟の学生に先端技術の体験を
今回の実証実験について小島氏は、「こうしたイベントを通して、学生たちがイキイキとしてくれることが、なによりも嬉しい。昨今のコロナ禍で、例年行われていたイベントが軒並み中止となり、学生たちの頑張りや成果を発表する機会が無くなっていた。今回の実証実験で、学生たちの成果物が数多く取り上げられた事は、学生たちにとって大きなチャンスとなり、そして楽しく学ぶキッカケになると思っている」と語った。
ゲームクリエーター科とCG・Webクリエーター科の学科長を勤める山中裕介氏は、「東京には最先端技術が集結している為、そこで生きる学生たちは、自然と先端技術を視野に入れた状態で学ぶことができている。一方、新潟は東京に比べて技術の普及が遅く、『東京で出来るが、新潟では出来ない』という事がどうしても出てきてしまいがちだ。今回のような産・学・官の連携が進んでいけば、先端の技術をもっと早く新潟に届ける事ができ、ここで生きる学生たちにも的を射た学びを提供できる」と話した。
今回の5G通信実証実験が実現し、新潟の産業の見通しが明るくなったように思う。これから新潟では、どのような形で5Gが活用されていくのか目が離せない。