新潟県の花角知事が定例記者会見、県人口が220万人割れしたことについて「大変深刻な課題」
新潟県の花角英世知事は4日、定例記者会見を行った。
新潟県の人口が戦後初めて220万人を割ったことに対する受け止めと、対策について聞かれ、「人口減少の問題は大変深刻な課題として受け止めている。よく(カエルを熱湯の中に入れるとすぐに飛び跳ねて逃げ出すが、水温を徐々に上げていくと水温の上昇を気づかない)茹でガエルの話を何度か例えで話しているが、じわじわと新潟県の経済、社会の体力を奪っていく課題。急に痛みを感じるものではなく、厄介な課題だが、特効薬もない。様々な政策を総動員して対応していかなければいけない」と話した。
さらに続け、「新潟県の人口減少の社会減の部分は、若い方が大学進学や就職で県外に出ていくというのが大きな要因。子育て世代が出ていくから結果的に自然減にも拍車がかかるという悪循環になっている。若い方の県外流出を止める魅力ある教育機関づくり、働く場作りに取り組んでいるが、引き続き努力していく。またUIターンの促進にも注力していて、特に女性をターゲットに新潟に戻って来ていただけるような働きかけを強めている」と話していた。
このほか、新型コロナで顕在化してきた地方分散の流れも捉えいくため、湯沢町、妙高氏などと連携しプロジェクトチームを作っているほか、新潟県テレワーカー・フリーランス移住応援金を創設しているという。
クマ被害が相次いでいることについては、冒頭、被害にあった人へのお見舞い、地域でパトロール・救護などに取り組んでいる関係者への謝意を述べた上で、「クマ出没が確認されている場所には入らないでいただきたい。また山に入る際にはラジオや鈴など音のでる物を携行していただき、単独の行動は避けていただくこともお願いしたい。さらに今シーズンはご高齢の方が畑作業中に襲われたり、くるみ広などをしているときに被害に遭われたりするケースが多いようなので、高齢者がおいでの世帯では、高齢者が外出する際には十分気をつけていただきたい」と語っていた。
なお県では現在、クマ出没特別警報を発令しているほか、県内自治体間でワナの融通を行っている。さらに「クマは市街地に、茂みや藪に隠れながら河川づたいに降りて来ていることが推測されることから、県管理河川の藪払いを行って見通しをよくすることを進めているほか、国管理河川については依頼した」という。
一方、大阪都構想に関連し、大都市制度についての質問があった。これに対しては、「かつて新潟州構想の議論がされたが、結果的に新潟州という形にこだわるのではなく、県と市が重なることで生じている無駄などをなくすことを直すという実質的な考え方に変わって来た経緯がある。それが新潟県・新潟市調整会議という形になった」と説明。
その過程で、県民会館やリュートピア、県営住宅や市営住宅など公共施設の管理を新潟市に一元化してきたという。
今後の調整会議の開催については具体的な日程はないという。ただ、「新潟駅前広場、バス停(駅周辺に散らばるバス停の集約化)、万代島地区将来ジョンなど個別に調整して行かなければならないものはある」と語っていた。