10月の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は6件、負債総額は18億8,700万円
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は4日、2020年10月の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は6件、負債総額は18億8,700万円だったと発表した。倒産件数は、前年同月比で40.0%減(4件減)で、前月比では50.0%増(2件増)だった。また10月としては、1962(昭和37)年の集計開始以来59年間で52番目、1990年以降の31年間では28番目となった。
負債総額は、前年同月比で86.5%増(8億7,500万円増)、前月比では508.7%増(15億7,700万円増)であった。過去59年間で33番目、1990年以降の31年間では20番目となった。
産業別では、「製造業」が5件、「サービス業他」が1件。「製造業」5件のうち、業種別では「飲食料品製造業」が2件、「繊維工業」・「鉄鋼業」・「金属製品製造業」が各1件ずつだった。
地域別では、「長岡市」・「村上市」・「燕市」・「五泉市」・「上越市」・「南魚沼郡」が各1件だった。
原因別では、「既往のシワ寄せ」が5件、「販売不振」が1件で、新型コロナウイルス関連倒産が1件発生した。
形態別では、「特別清算」が4件、「破産」が2件。「特別清算」4件のうち3件は、「第2会社方式」にて新会社へ事業移管して営業が継続されているという。
資本金別では、「1,000万以上5,000万未満」が3件、「5,000万以上1億未満」が2件、「500万以上1,000万未満」が1件だった。
負債額別では、「5億以上10億未満」・「1,000万以上5,000万未満」が各2件、「1億以上5億未満」・「5,000万以上1億未満」が各1件発生した。大型倒産(負債総額10億円以上)の発生はなかった。
従業員数別では、「5人未満」が4件、「20人以上50人未満」・「10人以上20人未満」が各1件発生。すでに事業を停止し解散している「特別清算」での倒産が大半であったため、従業員数少数の倒産が大半を占めたという。
業歴別では、「30年以上」が4件、「20年以上30年未満」・「10年以上20年未満」が各1件であった。
主な倒産としては、株式会社SG(長岡市、登記上は東京都港区西新橋、旧:(株)品川鋳造、特別清算開始決定、負債総額9億791万円)があった。
SGは(資本金3,000万円、代表清算人=酒井義彦氏)は1932年10月に創業し、1981年11月に法人化した鋳物製造業者。工作機械・産業機械向け部品を主体に手掛け、2011年3月期には売上高24億2,953万円をあげていた。
一方で、1991年の工場建設後は多額の金融債務が重荷となっていたほか、受注低迷時の赤字散発で長期にわたって債務超過が続き、脆弱な財務状況となっていた。
こうした中、経営再建を進めるべくファンドがスポンサーとなり、2018年4月に新会社((株)品川鋳造設立準備会社、現:(株)品川鋳造)が設立され、同年6月に会社分割により従来の事業を新会社に譲渡した。
一方、同社(SG)は会社分割時に(株)品川鋳造特別清算準備会社に商号変更し、2019年4月の株主総会で解散を決議。債務整理を進める中で、2020年2月現商号に変更するとともに現登記地に移転し、特別清算の準備に入っていた。
10月13日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。