アクアリゾートの平澤和久氏が「男性育児休業」を取得
会社も「イクメン応援宣言企業」などに登録
働き方改革の動きが加速しているが、男性の育児休業取得率は低い状況にとどまっている。国では2020年に、取得率13%の目標を掲げているが、実際は2~3%台で推移している。新潟県の取得率も平成28年度に過去最高を更新したものの、まだ3・4%と低水準だ。
そんななか、水槽のレンタルやメンテナンスを手がける株式会社アクアリゾート(新潟市)で営業企画部課長として営業やアクアリウムのメンテナンスなどを担当する平澤和久氏が、11月1日から14日まで育休を取得する。平澤氏は、夫婦そろってアクアリゾート勤務で、今年7月3日には子供が誕生し、妻の悠華氏は育休中だ。平澤氏は、「家事などのほか、子育て支援センターを訪問し子育てについて勉強したい」と話す。
社内には、1年ごとに3日間の休暇が付与される「リフレッシュ休暇」はあったが、育休制度は明文化されていたわけではなかった。平澤氏が、出産届を市役所に提出に行った際に、育休の支援制度のパンフレットを手渡され、会社に育休制度を提案した。星智也社長も、かねてより「プライベートと仕事の両方を充実させるべき」と考えていたことから、提案は受け入れられたという。同社ではこれを機に、新潟県の「イクメン応援宣言企業」などへの登録を申請した。
ただ、最初は、自分が休暇を取得することで「業務に支障が出るのではないかという不安があった」(平澤氏)という。だが、「ほかのスタッフの理解や協力があったことから休暇を取ることにした」(同)
また、厚生労働省のアンケートを見ると、男性が育児休業を取得しない理由の上位に「収入減が心配」が入っている。だが、平澤氏は、「県や市の助成金が充実しているので、収入面を心配する必要がないと思います」と話す。じっさい新潟県では、イクメン応援宣言企業向けに、育児休業取得1回につき、事業主と労働者に対しそれぞれ5万円ずつ助成する制度がある。新潟市でも、10日以上育休を取得する男性労働者に10万円、事業主に30万円の奨励金を出す制度がある。さらに、国(厚生労働省)でも、最初の半年間は給与の67%、それ以降は50%の育児休業給付金が支給されるほか、所得税や社会保険料などが免除される制度もあるそうだ。(育休取得を終えた感想などを14日以降掲載します)