新潟県立万代島美術館でフィンランドの陶芸作家を特集した「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」が開催中

「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」

新潟県立万代島美術館で、フィンランドのセラミック・アーティスト、ルート・ブリュックの企画展「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」が開催中。同作家の作品を網羅的に展示する回顧展は日本初で、新潟が最後の巡回地となる。12月6日まで。

ルート・ブリュックは1916年、フィンランドの生まれ。名窯アラビア製陶所(現・フィスカース傘下)に50年間所属し、陶器からレリーフ、壁画まで、陶芸の既存概念に囚われない様々な作品を生み出してきた。今回の企画展では、彼女がアラビアに所属してから1999年に没するまでの約200点を通して、作風の変化から、北欧の工業デザインに流れる文化への意識を見ることができる。

「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展示の様子

「ライオンに化けたロバ」 1957年

また今回はブリュック本人の作品だけでなく、ブリュックの長女で、毎年新潟県妻有地区で開催されている「大地の芸術祭」にも参加した現代アーティスト、マーリア・ヴィルカラの作品も展示。さらに、旧・吉田町(現・燕市)出身で1964年東京オリンピックのポスターをデザインしたことでも知られる亀倉雄策が収蔵したブリュック作品や北欧工芸品も展示するなど、新潟にも所縁の深い内容となっている。

万代島美術館の学芸員、今井有氏は「量産品ではあっても、どこかに人の手による“味”が残っているところが北欧の工芸品や家具の魅力になっている。『自分の家に飾るのならどれにするか』と考えながら観ていただくと、絵画や彫刻などとは違う楽しみ方ができると思う」と陶芸作家の作品展ならではの視点を話した。

なお、展示期間中は学芸員によるギャラリートークも開催される。今後の予定は、21日、29日の14時から。参加申し込みなどは不要。

 

新潟県立万代島美術館 企画展「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」

○料金 一般1,100円/大学・高校生900円/中学生以下無料
○開館期間 10月10日~12月6日
○開館時間 10:00〜18:00(観覧券の販売は17:30まで)
○休館日 月曜日(11月23日は開館)

展示の様子

「レリーフ」 1980年代
晩年は抽象的な作品が多くなり、こうしたモザイクの一つ一つの凹凸が生み出す陰影が特徴的である

ルート・ブリュックの長女、マーリア・ヴィルカラの作品「心のモザイク ─ルート・ブリュック、旅のかけら」

 

【関連リンク】
新潟県立万代島美術館 企画展「ルート・ブリュック 蝶の軌跡
https://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/open/

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