新潟県庁で「柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会」が開催

第10回柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会

第10回柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会が9日午後、新潟県庁で開催された。出席者はオンラインでの参加も含め、新潟県、新潟県警、柏崎市、刈羽村、陸上自衛隊、海上保安庁、経済産業省、原子力規制庁、内閣府のほか、オブザーバーとして長岡市、見附市、燕市、上越市、出雲崎町、十日町、東京電力ホールディングス株式会社が参加した。

会議は冒頭以外非公開で行われたが、会議終了後の会見によると、柏崎刈羽地域(PAZ=原子力施設から概ね半径5km以内の地域)の避難において、前回の会議までに課題として残っていたテーマなどが議題だったという。

このうち、「PAZ内の施設敷地緊急事態(冷却機能喪失などで住民に放射能による影響が生じる可能性のある段階)における対応」については、「学校・保育所ごとの個別避難計画の策定(保護者などへの連絡・引渡し体制の確立、引渡しができなかった場合の避難体制の確立)」などの課題があったという。

これに対し、今回の会議では、「PAZ内の学校・保育所ごとの個別避難計画を支援して策定中」であることや、「引渡しができなかった場合の児童の避難手段として、原子力災害時における人員の輸送等に関する協定(2020年10月14日に新潟県と公益社団法人新潟県バス協会)が締結した」ことが報告されたという。

また「社会福祉法人の入所者」や「在宅で介護の必要な人」。「観光客」などの避難手段に関する課題についても対応策についての報告があった。

なお、こうした人々(前もって避難が必要な人)の想定人数は最大で柏崎市で3,940人(必要なバス104台)、刈羽村1,098人(必要なバス28台)になるそうだ。

このほか、豪雪時や夜間の避難に関する課題について、国の補助事業「原子力災害時避難円滑化モデル実証事業」(降雪状況を監視するカメラ、可動型LED照明、誘導案内板などを使った実証)で計画を設計していくという。

一方、PAZ内の全面緊急事態(冷却機能喪失などにより住民に放射能による影響が生じる可能性が高い段階)における対応」については、「自家用車で避難できない住民数を試算するとともに、必要となる輸送能力の確保」という課題が残っていた。

この課題に対しては、新潟県が実施した「原子力災害時の避難手段に関する調査結果」をもとに算出した結果、、PAZ内住民の15.3%(3,094人)がバスによる避難が必要と試算したという。この輸送のためには、前述の104台、28台とは別に、75台が必要になる(この75台も前述の協定締結で確保する)。

また、「避難を円滑に行うための交通整理・規制、広報が必要」という課題に対しては、道路渋滞対策、交通誘導対策、交通広報対策、交通規制対策を整理したという。

なお避難計画には、「PAZ」、「UPZ=PAZの外側の概ね30km圏内」などがあるが、PAZについてはまだ課題があるものの、(今回の会議で)概ねの方向性を共有できた状況になったという。

内閣府原子力防災担当では、原子力発電所がある地域毎に13の地域原子力防災協議会を設置し、関係道府県・市町村の地域防災計画・避難計画の充実化を支援する取り組みを行っている。

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