第四と三越伊勢丹コラボの学生ビジネスコンテストが開催される
新潟の新しい地域ブランドの創造につながるビジネスアイデアを表彰する「第四銀行×新潟三越伊勢丹 NIIGATAビジネスアイデアコンテスト」――。
そのコンテスト(学生部門)の最終プレゼンテーション発表・選考会・表彰式が12日、新潟日報メディアシップで行われた。
審査委員らの前で行う最終プレゼンテーションには6チーム・個人がのぞんだ。
1、女子力向上委員会選抜ペア(新潟大学)…「チューリップの花を詰めた華箱」
球根栽培のチューリップは花は摘み取られ、ほぼ捨てられているが、こうしたチューリップの花を有効活用した華箱。花束と比べて、運びやすく、ギフトなどに最適。ギフト以外にもインテリア、フラワーシャワーなど様々な使われ方が見込める。
2、清水里紗氏(新潟薬科大学)…ユネスコ無形遺産でもある小千谷縮を使用した大人向けスマホケース
小千谷縮は高級品だが、今は着ていなく箪笥の中で眠る着物を有効活用し、コストを抑えたスマホケース。手軽に小千谷縮を楽しんでもらうほか、着物や浴衣を着た際にはよく似合う。着物を提供する人にとっては、「想いでの品」を新しい商品として使える。このほか、ケースの骨組みに、三条金物を使って耐衝撃性を高めているほか、ケースにはICカード収納スペースなども設け、機能性も高めている。
3、目黒愛美氏(新潟薬科大学)…新潟の地域資源を使ったボディ・スクラブ
笹川流れの塩、雪椿オイル、桃の葉エキスなどを地元の素材を材料に使用したボディ・スクラブ。かっさの形をチューリップにするなどの工夫も凝らしている。
4、權ゼミナール(長岡大学)…十分杯
十分杯とは、財政難に陥っていた江戸時代の長岡藩で生まれ、現在まで長岡の地に伝わる杯。器の8割 以上そそぐと、その後に注いだものはすべてがこぼれ落ちてしまうという仕掛けがしてあり、欲張らず、ほどほどで感謝すると万事がうまくいくという教えを表している。
長岡の文化・歴史の維持継承につながるメッセージが入った十分杯にすることで、長岡に伝わる教訓や歴史を知ってもらう。また、メッセージ入りの十分杯を使って、酒蔵見学の差別化にもつなげていく。このほか、「油田のやぐら」や「朱鷺」のデザインをした十分杯の制作も検討していく。
5、3びきのこぶた(新潟大学)…えほんカタログ
読み物として楽しめる絵本に、新潟の地場産業製品などを紹介し購入できるカタログの機能を搭載。製品を紹介するためのQRコードをかざすと、その製品への想いを語ったインタビュー記事のページに飛ぶ。そして気に入れば、そのページから購入できる。
例えば、長岡花火のQRコードをかざすと、花火への想いを語ったインタビュー記事のページに飛ぶ。そして気に入れば、そこから有料観覧席のチケットを購入できる。
結婚式の引出物(2人のストーリーを描いた絵本)や、祝いの贈り物などとして利用できる。
絵本に登場するイラストは、新潟に多くいるマンガ家の卵に依頼。これによりマンガ家の卵は仕事を確保できるほか、依頼する側も低コストで製作できる。
絵本のストーリーは、フルオーダーからテンプレートまで用意。
このほか、ブックカバーには、小千谷縮など本県の着物の生地を使用。
なお同チームがグランプリを獲得した(上写真2枚)
6、高野あゆみ氏(新潟薬科大学)…黒埼茶豆の茹で具合をチェックできる形状記憶合金
茹ですぎると本来の美味しさを失いかねない茶豆。その茹で具合をチェックできる製品。具体的には、水温の変化の伴い、形が変わるという形状記憶合金の特性を活かし、茶豆の茹で具合をチェックする。
合金の形が茶豆の形に完全に変形したことで、茶豆が最高の状態に茹であがったことをビジュアル的に知ることができる。
(ちなみに4の長岡大学を除いて発表者はすべて女性だった)
発表されたアイデアは今後、第四銀行や新潟三越伊勢丹のネットワークを使い、実現に向けてマッチングなどの支援を行っていくという。
なお、今回のコンテストには、事業者部門と学生部門を合わせ、70組から応募があった。