新潟スワンエナジー(新潟市)、地産地消型再生可能エネルギー100%の電力プランなどの販売

会見の様子

新潟スワンエナジー(新潟市中央区)は12日、地産地消型再生可能エネルギー100%の電力プランなどの販売の販売を始めた、と発表した。

新潟スワンエナジーはJFEエンジニアリング(株)が85%、新潟市が10%、(株)第四銀行が5%出資し2019年7月に設立。2019年11月から地産の再エネを調達し、地元の公共施設や民間企業に供給する事業を行なっている。現在、新潟市新田清掃センターなど合計7施設の発電所(発電出力1万2,264.9キロワット)から電力を調達し、122の公共施設・民間会社に電力を供給している。

調達する電気の比率は、地産の再生可能エネルギーが約7割を占め、ほかにJFEグループの電力売買事業会社や、市場などから再生エネやその他電気を調達している。

 

再エネかつCO2排出係数ゼロの電気プラン

販売を始めたのは、「再エネ100+プラン@にいがた」、「再エネ100の日応援プラン@にいがた」。

「再エネ100+プラン@にいがた」は新潟スワンエナジーが調達する地域の再生エネ電気と、非化石証書またはJ-クレジットなどの再エネ由来の証書を組合わせ、CO2排出係数ゼロの電力を提供するプラン。12月1日より、新潟市美術館、万代島多目的広場に供給を開始することが決まっている。なお、100%地域の再エネかつCO2排出係数ゼロの電気で賄う施設は新潟県内の自治体公共施設では初めてという。

「再エネ100の日応援プラン@にいがた」は、供給先施設のその日1日の使用電力を地域の再生エネ100%にするプラン。12月1日から、新潟市(北区役所、東区役所、西区役所、南区役所、西蒲区役所、中央卸売市場)のほか、(株)第四銀行中央市場支店、JFEパイプライン(株)、サンエス(株)、澁井鋼材(株)、新潟特殊企業(株)、三浦電気(株)に供給を開始することが決まっている。

プランでは、新潟市新田清掃センターの廃棄物発電(プラスチックや化学繊維など化石燃料由来などを除いたバイオマス由来のものだけ)を中心に、青木環境事業(株)、(株)新潟パティネレジャー、(株)ノザワコーポレーション、三浦電機(株)の太陽光発電の電気を利用する。

電気料金は、既存の電気プランと比べて若干高くなるが、取引先からクリーンエネルギーの使用を求められている企業、SDGsの取り組みを進めたい企業などに販売していく。

このほか、新潟市と連携し、新たなエネルギーサービス「太陽光発電PPAモデル」の取り組みを公共施設において始める。「太陽光発電PPAモデル」は、第三者が電力消費者の敷地や屋根などを借りて太陽光発電システムを設置し、発電した電力を長期にわたり電力消費者に販売するモデル。電力消費者は、初期投資ゼロで再生可能エネルギーの電力を安価な料金で使うことができる。

第一弾として、新潟市中央卸売市場(総合食品センター棟の屋根)に設置し、来年2月より発電を開始する。年間発電量は30.7万キロワット時、CO2削減効果は146t/年を想定している。

なおこの事業は環境省および経産省の連携補助事業「サプライチェーン改革・生産拠点の国内回帰も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」に採択されている。

「太陽光発電PPAモデル」事業スキーム

 

新潟市新田清掃センターで小水力発電も

一方、同社では、地産電源比率の向上を目指している。

こうした中、現在、同社の主要電源となっている新潟市新田清掃センターで、既存のゴミ発電に加え、小水力発電にも取り組む。稼働中に高温になる焼却炉を冷却するための機器冷却水の落差(30m)を利用して発電するもので、来年2月か3月ごろに発電を開始する予定だ。年間発電量は6.5万キロワット時、CO2削減効果は31t/年を想定している。

また、今後も引き続き、新潟広域都市圏とその周辺地域で再生エネの電源を開拓していく。

新田清掃センターの焼却施設

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