「過去の話ではなく、今も苦しんでいる人がいる」、長岡市立寺泊中学校(新潟県長岡市)の拉致問題啓発セミナーで蓮池薫氏が講話
新潟県は19日、長岡市立寺泊中学校(新潟県長岡市)において、PTAや教職員および生徒を対象とした拉致問題啓発セミナーを開催した。拉致被害者の蓮池薫氏が自らの拉致体験を話し、拉致問題解決に向け、家族や地域社会での理解や関心を深めて欲しいと訴えた。
新潟県は小中学生から大学生、社会人など幅広い層の人に対し、拉致問題の理解を深め関心をもってもらうための活動の一環として、拉致問題啓発セミナーで2021年度から開催している。今年度の開催は5回を予定しており、この日は第1回目の開催となった。
蓮池氏は拉致をされた時の様子や北朝鮮での暮らしなどを詳しく話し、参加者たちは真剣な表情で聞き入っていた。蓮池氏は「拉致問題は過去の話ではない。今もまさに苦しんでいる人がいる。現在進行形の問題」と訴えた。
会場には約20人のPTAや教職員と代表生徒12人が参加し、その他の生徒や教職員は各教室にてオンライン配信を視聴した。
講話後、参加した生徒から「私たち中学生ができることは何か」との質問が上がった。蓮池氏は、「まずは知ってもらい、他の人にも話をして欲しい。(手紙を送るなどの)政府への呼びかけや、残された家族への元気付けをして欲しい。どうやったら拉致問題が解決できるか、何ができるかをみんなで考えて欲しい」と答えた。
新潟県は拉致啓発セミナーを引き続き開催する予定としており、今後開催を希望する小中学校などを募集していくという。
(文・撮影 中林憲司)