スポーツ衣類などを製造するオンヨネ株式会社(新潟県長岡市)が医療機器分野に参入

左から、オンヨネ株式会社営業企画本部の古賀隆志取締役部長、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構細胞医療研究開発センターの川真田伸センター長、公益財団法人神戸医療産業都市推進機の本田貴史氏

オンヨネ株式会社(新潟県長岡市)は25日、加温や加圧によらずに血流改善、消炎鎮痛効果をもたらす繊維素材「A.A.THMedical繊維」を発表した。同繊維を使用した医療機器は2021年5月から発売開始予定で、オンヨネは今後、医療、健康、衛生などの分野を開拓していくという。

近年は高齢化における健康意識が高まり、スポーツやビジネスにおいても日々のコンディショニングが注目を集めている。そのなかでオンヨネは2015年より、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(FBRI)協力のもと、新素材「A.A.THMedical繊維」を利用し未病や疲労改善を目的とする医療機器の開発を進め、今回の発表に至った。

「A.A.THMedical繊維」は、ポリエステル繊維内に微細な複数種の貴金属を練りこんだ繊維で、太陽光や人工光、遠赤外線などの身体から放出される光などを吸収し、人体へ効能をもたらす波長に変換して身体へ放射する。身にまとった部分を温めて血流を改善することより、疲労回復や神経痛・筋肉痛の緩和、胃腸の活発化などの効能がある。

既存の製品は、着圧による血流改善や加温により消炎鎮痛をもたらす物が多い一方、オンヨネが発売する新製品は、布団のようにかけるだけで効果が現れ、かつ可視光などの遠赤外線以外の波長も発生させるため身体の深部にまで波長が届くという。また、洗濯による効果の低減が無いことも特徴だ。

ブランケット状の大型タイプ「アースメディカル マルチクロス」(写真手前)

腹巻きタイプ「アースメディカル  ウエスト ロール」(写真左)と小型のタイプ「アースメディカル シングルクロス」(写真右)

オンヨネは今後、これまで培ってきたスポーツ・アウトドアウェアの技術とデータを用い、商品を開発していく。来年5月に「A.A.TH-ME(または「アスメ」)」ブランドとして発売を予定している商品は全4種で、首巻きのようにも用いることができる小型のタイプが約1万円、大型のブランケット状のタイプが約2万8,000円、腹巻き状のタイプが約8,000円の販売価格を予定している。さらに、スポーツでの使用や避難所、車中泊などでの使用も想定されているマットタイプは8万円から10万円ほどの価格帯になる。

オンヨネ営業企画本部の古賀隆志取締役部長は会見にて「今後は少子化によりスポーツ人口が減っていくことが確実な一方、高齢者やビジネス層など健康維持のために運動をする人や、スポーツ観戦、eスポーツに関わる分野が伸びていくと考えられる。弊社としては、健康・衛生分野をもう一つの柱として成長させていくことを中・長期の目標としている」と話した。

マット状のタイプ「アースメディカル フィットマット」

発表するオンヨネ株式会社営業企画本部の古賀隆志取締役部長

【関連サイト】
オンヨネ株式会社 webサイト

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