「佐渡島の金山」の推薦文再提出を巡り、新潟県の花角知事に末松文科大臣が面談
末松信介文部科学大臣は1日、新潟県庁を訪れ、政府が世界遺産に推薦した「佐渡島(さど)の金山」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)側から推薦書の不備を指摘され、来年の登録が困難になっている問題を受け、新潟県の花角知事に経緯を説明した。
この問題は「佐渡島の金山」の世界遺産登録に向け、政府は推薦状をユネスコ側に提出したが、ユネスコ側から推薦状の内容の不備を指摘された。その後、政府は推薦状を再提出する方針を表明し、末松大臣は28日の会見で、「来年2月までに推薦状を再提出する」と述べた。この問題を巡っては、地元への情報共有不足による不信感の拡大や、ユネスコ側が韓国を意識して対応したのではないかという憶測も飛び交っている。
冒頭、花角知事は「我々としては突然降りかかった事態ということで、どうしてこうなったか、詳しい経緯を伺いたい」という言葉で面談は始まった。
報道陣には面会の冒頭のみが公開され、その後、非公開で花角知事と末松大臣の面談は行われた。面談終了後、神妙な面持ちで報道陣の前に姿を現した末松大臣は、報道機関に向け面会の概要を説明し、記者からの質問に答えた。
「改めて、佐渡島の金山の推薦書を改めて提出することになりました。経緯を説明して、世界遺産登録に向けた協力をお願いした。文部科学省としては、最大限、佐渡金山の世界遺産登録実現に向けて努力したいと思う。総理からも早期かつ確実に進めるように、世界遺産登録ができるように政府として取り組むことを、明確に知事、県民の皆さんに伝えてきて欲しいと伝えられている」と話した。
また、韓国が世界遺産への推薦に反発していて、ユネスコ側が韓国を意識して対応したのではないかという疑惑に対しては「全くそういうことはございませんでした」とキッパリと否定した。続けて、「文部科学省としては、導水路跡の説明について、極めて分かりにくのだが技術的な問題があるという認識に立っており、そのことについても知事と意見交換し、知事に説明した」と話した。
今後について末松大臣は「専門家を派遣して、早速に再提出に向けた調整を行うことになった。知事とも明日から前を向いて進んでいきましょうということで合意した」と前向きに面談が終わったことを伝えた。