新潟県議会12月定例会が開会、花角英世知事が提出議案を説明
補正予算などを審議する新潟県議会12月定例会が1日開会し、花角英世知事は、提出議案説明の中で、新型コロナウイルス感染防止対策、原発、人口減少対策、拉致問題などの県政課題についての見解を示した。
新型コロナウイルス感染防止対策
花角知事はまず、新型コロナウイルス感染症防止対策について言及。
「11月に入り全国的に、感染拡大がみられる中、本県においても感染者数が増加したことから、専門家の意見を踏まえ、11日に『注意報』を発令したところです。注意報発令以降も新潟市の高齢者施設や柏崎市の小学校を中心に多数の新規感染者が発生するなど、油断できない状況が続いていると考えており、今後も注視するとともに、県民の皆様に早期の受診等の注意喚起を行ってまいります。これまで県では、感染拡大ピーク時に備えて検査体制の強化や病床の確保など、医療提供体制の強化を図ってまいりました」と話した。
また、今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、「発熱患者の外来医療機関を500ヵ所程度指定したところです。加えて、24時間対応する新型コロナ受診センターを開設するなど相談体制の強化も図っており、引き続き、万全の体制で全力で取り組んでまいります」と話した。
柏崎刈羽原子力発電所
次に柏崎刈羽原子力発電所に関して触れ、「7号機について、原子力規制委員会の審査が終了しましたが、安全対策工事は今もすすめられている状況にあります。引き続き技術委員会において、審査内容に疑問が残る点などについて、福島原発事故の検証も踏まえて、安全対策の確認を進めてまいります」と話した。
3つの検証については、「10月26日に『事故の原因に関する検証』の報告書が県に提出されました。事故検証作業は、平成24年度以降約8年間行ってきたものであり、様々な可能性を排除せずに議論を重ねていただき、安全確保の観点から133にものぼる幅広い課題と教訓を提示していただきました。また、他の委員会についても、精力的かつ着実に検証が進められていると承知しております。再稼働の議論については、3つの検証の結果が示された後に始めたいと考えております」と話した。
拉致問題
さらに拉致問題について「11月15日、横田めぐみさんが拉致されてから43年目となるこの日に開催された県民集会は、新型コロナウイルス感染防止対策に配慮しながら行われましたが、インターネット中継の視聴者も含め、県民の皆様の拉致問題解決に向けた熱い思いを一つにすることができました。横田早紀江さんは映像メッセージによる出演となりましたが、滋さんへのお気持ちを示された上で、もう喜びの会にしなければならない時期にあり、政府には実行力を行使してほしいと訴えられました。改めて、もはや一刻の猶予も許されないということを痛感したところです」と語った。
さらに続けて、「加藤官房長官からは『あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組む』との決意が示されました。政府には、バイデン氏が次期米国大統領に就任されるといった諸情勢に適確に対応し、国際社会との連携を図りながら、早急に目に見える形で具体的な成果を出していただきたいと考えております。県といたしましては、知事の会等と連携を図りながら、全ての拉致被害者が一刻も早く帰国できるよう国に働きかけるとともに、国の外交交渉を後押しするため、県民世論の喚起に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります」と話した。
花角英世知事の提出議案説明の全文は県議会のホームページで確認することができる。