「オール政府でしっかり取り組んで欲しい」新潟県の花角英世知事が「佐渡島の金山」推薦書の再提出について言及
新潟県の花角英世知事は3日、定例記者会見を開き、世界文化遺産登録を目指す「佐渡島(さど)の金山」を巡り、ユネスコ側から推薦書の不備を指摘されたことで、2023年中の登録が困難となったことについて見解を述べた。
花角知事は、1日に末松信介文部科学大臣が花角知事を訪れ、推薦書の不備をユネスコ側から指摘され、再提出することとなった経緯説明の内容について説明した。
花角知事は、「再提出せざるをえなくなった問題は、きわめて技術的なもの。構成資産である西三河砂金山の導水路跡に関する表現の仕方に、ユネスコ側と見解の相違があった。最終的にはユネスコ側が見解を曲げないという事で、再提出にやむなく舵を切らざる負えなくなったというのが大まかな経緯だった」と説明した。
また、政府より県に対して情報共有がなかった件について、末松大臣から「言いたかったが表に出せなかった。致し方なかった。苦しい事情を察してほしい」などと伝えられたことを明らかにした。
花角知事は、「事実として受け止めざるをえない。こういった事態になった以上しようがない。末松大臣からは、政府として世界文化遺産への登録を確実に実現するということを名言された。また、総理の指示として地元としっかり連携をして確実に着実に進めるようにということを伺った。ここからは気持ちを切り替えて、新しい推薦書をユネスコ側の見解に沿うような形で修正をかけて、しっかり作業を進めて行きたい」と話した。
今後、ユネスコへの推薦書再提出については、今年9月に「暫定版」の提出に向けて進めていく。「暫定版」の提出により、ユネスコ側との見解をすり合わせることが出来るものとみられる。
今回、ユネスコ側との見解が折り合わなかった推薦書に関しては、2021年の文化審議会の審議が、例年よりも後ろ倒しになってしまったことで、答申が出たのが2021年12月となった。そのため、2021年中に暫定版を提出し、ユネスコ側と内容をすり合わせるというプロセスが出来なかったという。
政府への要望について花角知事は、「オール政府で最終ゴールである世界遺産登録の実現に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいということをお願いした」と話した。