新潟出身の内山拓也監督が手掛ける映画作品『佐々木、イン、マイマイン』の公開イベントが開催
新潟出身の内山拓也監督が手掛ける映画作品『佐々木、イン、マイマイン』が全国ロードショー
新潟県出身の映画監督、内山拓也氏(28)が手掛ける映画作品『佐々木、イン、マイマイン』が全国ロードショーしたことを受け、6日、新潟市中央区にある「Rookies新潟駅前店」で凱旋トークイベントを行った。またゲストとして作中で佐々木役を演じた細川岳氏(28)も登壇した。
内山拓也監督は、1992年5月30日生まれ。旧亀田町出身。新津高校を卒業後、東京の文化服装学院に進学。23歳で初監督作品『ヴァニタス』を制作。同作品で初の長編にしてPFFアワード2016観客賞を受賞。近年は中編映画「青い、森」、King GnuのMV「The hole」等の監督も務めた。
「佐々木、イン、マイマイン」は学生時代の友情と、『今』を巧みに描いた青春映画だ。誰もが心の中にいるヒーローとの愛おしい時間を、これでもかというほど丁寧に描写した作品である。
内山拓也監督独占インタビュー
映画の道を歩み始めたきっかけを内山拓也監督はこう話す。「昔から映画監督を目指していたわけではないのです。高校3年までは、漠然と『何かやりたい』という気持ちがあったのですが、それが何なのかを見つけられていませんでした。しかしそんな時、仲の良かった古着屋の店長さんの紹介で、庵野秀明監督の『式日』という作品を観た際に、服の価値観を一変されるような大きな衝撃を受け、文化服装学院に進むことを決めました」
「学院生活中はスタイリストを目指して、学業、スタイリストアシスタント、バイトをこなしていました。当時、あるスタイリストの講師に『スタイリストになったら食えない、金ない、寝れない。これを乗り越えれるかどうかは才能の有無の話ではない』と言われたので、在学中は食費月3千円、2時間睡眠生活を続けていました。少しでも睡眠時間を削るため毎日映画を1本以上観ることを自分のノルマにしていたのですが、なんだかんだで年間1,200本くらいは映画を観ていました」
「ある時スタイリストアシスタントとして映画撮影の現場で仕事をしたことがあったのですが、その際、撮影現場で感じた高揚感や面白さに魅了され、それ以降スタイリストの道をすっぱりと辞める決心をし、映画の道を志しました」と話す。
内山監督自信が持つ、『こう決めたらこう』という決断力が、現在の彼を映画監督という仕事に就かせている。
更に映画づくりについて、内山監督はこう語った。「作品の『余白』『余地』はとても大切にしています。作り手の意図を押し付けすぎないよう、観客の感性を信じる形での映像作りをすることが、監督としての使命のようにも感じています。また作品を見て、何か少しでも前向きになれたり、気づきを得てくれる人が少しでも居てくだされば幸いです」と話す。
最後に、新潟の方々に向けて内山監督は、「ロケ地は新潟ではありませんでしたが、新潟に住んでいた時の事を想いながら撮影したシーンも多いです。是非多くの新潟の皆様にも観て欲しいと思います」と話した。
凱旋トークイベント開催
トークイベントでは、内山監督と細川岳氏が、撮影の裏側や、宣伝ポスターについての裏話、自身の監督としての想いなどを余すことなく語った。
実は「佐々木、イン、マイマイン」という作品は、細川氏の過去のエピソードからインスピレーションを受けて作成した映画なのだという。
他にも、参加者からの質問コーナーでは、映画ワンシーンの解釈についての質問や、何故ロケを新潟でやらなかったのかという質問等も挙がり、それらに監督自ら丁寧に回答していた。本イベントでは作品に関してかなりディープな話まで聞くことができ、参加者達も一様に満足した表情を浮かべていた。