新潟県阿賀野市水原公民館で震災をテーマにした考古学展示会が開催中
新潟県阿賀野市生涯学習課は8日から13日まで、阿賀野市水原公民館にて展示会「災害の考古学─阿賀野市内遺跡から発見された地震痕跡─」を開催している。展示会では、市内遺跡で発見された地震痕跡の記録や市内出土品約100点を展示し、震災と当時の人々の関係などを紹介する。
この展示会は、13日に水原公民館で開催される講演会「災害の考古学〜遺跡からわかる地震・洪水〜」に伴い開催された。同講演会は、元々120人の定員を想定していたが、新型コロナウイルス感染予防対策により半数の60人に限定。そのため、より多くの人に内容を知ってもらいたいと思い、同様のテーマの展示会開催に至ったと阿賀野市民生部生涯学習課の古澤妥史主幹は話す。
展示会では、土橋遺跡をはじめとした阿賀野市内の遺跡の写真や出土品を展示。特に、テーマにもなっている「地震痕跡」に関しては、地震に伴う液状化現象がどのように痕跡を残すか写真とともに詳細に解説されており、阿賀野市を中心とした地域がどのような震災に見舞われてきたのか、人々がどのように対応してきたのかがわかる展示となっている。
2020年9月に阿賀野市の土橋遺跡から発掘された、県内最大のハート形土偶の頭部も初めて一般公開された。大きさと同時に、顔立ちがはっきりと残っている点で珍しいと古澤主幹は話す。他にも、火炎型土器の一種である王冠型土器や、接着剤として用いられたアスファルト片、骨壷など、当時の生活を思わせる出土品が数多く並ぶ。
古澤主幹は「災害が発生した際に何も知らないままでいると慌ててしまうが、地域の地震の周期性や特徴などを知ることで、ある意味心構えのようなものができると思う。なかなか歴史好きの方以外には興味を持ってもらう機会がないが、歴史から役に立つ情報を得られることを市民の多くの方々へアピールしていきたい」と話した。
【地図 阿賀野市水原公民館】
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