東北電力株式会社と株式会社商船三井が、世界で初めて帆を搭載した石炭船の輸送契約を締結
東北電力株式会社と株式会社商船三井は10日、硬翼帆式風力推進装置(ウィンドチャレンジャー)を搭載した石炭専用船による輸送契約を締結した。これを受け、2022年の運行開始に向けて株式会社大島造船所にて同船の建造を開始する。
使用される船体は風を受けて進む伸縮可能な硬翼帆を搭載しており、化石燃料による動力と併用することで、従来の同型船と比較し、日本─オーストラリア航路で約5パーセント、日本─北米西海岸航路で約8パーセントの温室効果ガス削減効果が見込まれるという。
2009年に東京大学が主催する産学共同研究プロジェクト「ウィンドチャレンジャー計画」が前身となっている。その後2018年1月からは、商船三井と大島造船所が中心となり、産学協同研究を引き継ぐ形で「ウィンドチャレンジャープロジェクト」を発足。同年12月から港への入出が可能か検証を重ね、今回東北電力との輸送契約締結に至った。企業が帆を搭載した石炭船を輸送に導入する世界でも初めての事例である。
東北電力と商船三井は今後、航行時の温室効果ガスの削減効果などについてさらなる検証を進めていきながら、船体数などを検討していくという。