新潟県三条市で展示会「長畑遺跡の縄文土器の世界」と「中浦歌舞伎写真展」が開催中
稲作生活へ移行する直前の遺跡「長畑遺跡」展示会
新潟県三条市の農村環境改善センターで12日から20日まで、展示会「長畑遺跡の縄文土器の世界」と「中浦歌舞伎〜地元の役者と舞台裏〜」が開催中。開館時間は9時から16時で、19日と20日には展示説明や、「アンギン編み」のワークショップが開催される。
長畑(ながいばたけ)遺跡は1974年、上越新幹線の建設に伴い発掘が開始された縄文時代最末期の遺跡。三条市内の集落跡の多くが山や台地の縁に築かれていたのに対して、長畑遺跡は信濃川や五十嵐川による沖積地に立地しており、遺物から米の調理跡が発見されていることも合わせて、狩猟採集中心から稲作へ生活形態を変化させていった過渡期の集落と考えられている。
展示会は、現代が新型コロナウイルスなどにより生活が変化する「過渡期」であることから企画されたもので、近年すべての復元が完了した長畑遺跡出土の土器14点と、発掘過程の解説パネルが展示されている。
19日、20日14時からは市の生涯学習課文化財係による1時間程度の展示説明を行う。また、最終日20日には縄文時代から伝わる「アンギン編み」でオリジナルのコースターを製作するワークショップワークショップも開催。どちらも事前申し込みは不要で、ワークショップは10時から14時の時間内に直接会場で参加できる。展示説明、ワークショップ参加者には先着30人へ特製のクリアファイルをプレゼントするという。
山村で伝えられた歌舞伎を懐古する展示会
「中浦歌舞伎写真展〜地元の役者と舞台裏〜」も同時開催中。中浦歌舞伎は現在の三条市中浦の民衆により行われていた歌舞伎で、江戸末期に同集落の髙野平十郎が上方参りの際に見物した歌舞伎を集落で再現したことが始まりとされる。明治中頃には加茂や栃尾など20以上の集落を従業するまでになり、1995年の10月まで形を変え上演され続けた。
今回の展示会では、昭和から平成までの中浦歌舞伎の写真と、実際に使われた衣装や小道具を展示。三条市生涯学習課の勝山百合氏は「中浦歌舞伎の記憶の伝承と、復活を願っての企画」だと語る。こちらの展示も20日まで。「長畑遺跡の縄文土器の世界」と同様に、19日と20日15時から展示説明が行われる。
【地図 三条市農村環境改善センター】